◎ 「あいつだ 」  2015年 韓国
原題:Fatal Intuition
監督: ユン・ジョンヒョン
キャスト:チュウォン、ユ・ヘジン、イ・ユヨン、リュ・ヘヨン

 

親が死んで、寂れた漁村に住む二人の兄妹。
兄は高校生の妹を進学させようと製氷工場や洗濯屋で頑張って働いている。
但し、兄は妹のことが大好きで、妹に色目をつかってくるものには容赦し
ない。シスターコンプレックスが、いきすぎて妹を部屋に鍵をかけて閉じ込め
てしまうほど。

兄妹の住まいは2階になっていて、下は工場になっている。だから、下から梯子
で上の兄妹の部屋へいけるようになっている。
ある日、妹に暴行を加えようとその梯子を使って、上がってきた男がいた。
そして妹をナイフで切り刻んだ後に殺害してしまう。3日後に洗濯屋の水槽か
ら無残な姿で発見される。

兄は無能な警察をあてにぜず、自力で犯人をみつけようと動き出す。その時に頼
りにしたのは、殺害の瞬間の映像が頭に浮かんでくるという予知能力者の若い
女性。そして「こいつが犯人だ!」と、いきついたのは、薬屋の店の主人である
薬剤師。普段の生活では、子供にやさしく老人にもやさしい、非のうちどころの
ない男。

その男に「お前の正体を俺は知っている。どこまでも追ってやる!」と、ゆさぶり
をかける。
薬剤師の男は「物事には我慢の限界があるものだ!」といって、その青年をものす
ごい力で突き飛ばす。しかし、妹を殺害した男を完全に追い詰めるまでは、兄は
絶対にあきらめない。

話しの筋としては、どこまでもどこまでも犯人を追ってゆくという、実にシンプル
なお話。今までの映画のパターンとしていくつもあったはずなのに、内容につい
引きこまれていた。

ただし、死を予知する少女とペアを組むところが、めずらしい。ぼくは超能力と
か霊現象は基本、信じていないので、あらすじを読んだときにこの部分がひっか
かり、DVDをレンタルするのはやめようかと思っていた。

でも、見てると彼女の存在が物語のアクセントになっているのがわかる。彼女は
その能力の為に恐れられ嫌われている。普段の生活ではお店から塩をまかれたり、
近所の人から、からかわれたりと閉鎖的な悲惨な日常を送っている。
その彼女が実は真犯人を特定する一番の切り札になるというところがいい。

予知能力者を演じた女優「イ・ユヨン」は、「アトリエの春、昼下がりの裸婦」
という映画にも出ていたというから、驚いた。この映画もぼくは見ていたのだが、
同一人物とはまったく気が付かなかった。

妹役の「リュ・ヘヨン」もちょっと丸顔で元気はつらつで健康的なお色気があって、
魅力的なのだが、ぼくはやはり始終うつむき加減で、根暗なイメージのイ・ユヨ
ンが、気にかかった。「アトリエの春、昼下がりの裸婦」のときにもなんともい
えない美しさがあって今回もまた印象が強いというのは相当に力のある女優の

証拠なのだろう。

韓国の犯罪を扱った映画は、前にも書いたけれど本当にレベルが高い。どうし

ても日本の多くの犯罪映画がかすんでしまう。
韓国映画は禁断症状が出てきて、ぼくは定期的に見たくなるのだ。


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