高畑淳子の息子・高畑裕太(22)の強姦事件は、被害者と示談が成立というすっきりと
こないうやむやの解決となってしまった。あげくのはてに、担当弁護士が「違法性の
顕著な悪質な事件ではなかった」とした上で、仮に起訴されていれば「無罪主張をした」
と、言っても説得力がない。


ところで、ぼくが今回見たDVD「アメリカン・ドクターX」は、そんななまっちょろい解決

ではない。

恋人も作らず、夜中に鳥で手術の縫い合わせの練習をしているまじめな女子医大生

のメアリーは、ある日、教授にパーティに呼び出される。そこで、飲み物に薬を入れら

れ、寝室に連れ込まれ暴力的なレイプを受ける。さらにその様子を録画されてしまう。

 

メアリーはその教授へ、メスを使った想像を絶する復讐を行う。
彼は、しゃべれない、歩けない、物を持てないという状態になってしまう。

ところで、この映画は単なる復讐物語だけではない。

彼女は医学生の時に、携帯代が払えなくてストリップの面接を受けに行き、そこでいき
なり闇手術に手を染める。生活の手段として、その後、闇手術で人体改造を行うことに
なる。舌先を二つに分けたり、体に異物を入れてこぶを作ったりたり、双子がお互いの

腕を交換したりという特殊な人体改造を求める患者の願望を高額でかなえてあげる。

 

この、不可思議な異様な体をアートと意識する人達を、ストーリーに取り入れたのは
面白いし、新しいと思った。

 

確かにグロテスクなシーンがいっぱいあるのだが、その場面を直接的に撮って単純に

怖がらせる映画ではい。けっこう血の場面が多いのだが、それが不快に感じられない

不思議な静けさをもっている。映画の賞もいろいろ取っていて評価も高い。

そして、これを作った監督(ジェン・ソスカとシルヴィア・ソスカ)を調べたら、女性で

しかも双子で映画の中に本人達が出演していたのには驚いた。けっこう色っぽくて、

双子監督への興味がわいてくる。
インタビュー記事があったらぜひ読みたいと思い、ネットで検索したのだが、みつから
なかったのは残念だ。月刊雑誌「映画秘宝」あたりで載せていそうな気もするが。
他の作品もぜひ観たいものだ。
 

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