ディカプリオが、念願のアカデミー賞の 主演男優賞を取ったという作品、「レヴェ
ナント 蘇えりし者」をようやく見に行った。タイトルの「Revenant」は「帰ってきたも
の」「亡霊」などという意味を持つとの事。
狩りの途中でクマに襲われ瀕死の重体に陥った事で、仲間にじゃまにされさらに
息子まで殺されてしまった男の物語。全身、クマに襲われ傷だらけの状態だった
が、奇跡の生還を果たし、そして息子を殺した男に復讐するまでの壮絶なストーリー。
2時間半という長い上映時間だが、それも気にならない緊張感が持続する。
戦いの場面など、とてもリアル。静寂の中、いきなり弓矢でひとが倒れる場面など
も、実にみごとなスピード感。
そして木々や背景の山並、水に反射する光など自然がとても美しかった。
監督は、史上3人目の快挙となる2年連続のアカデミー賞監督賞を受賞したアレハン
ドロ・G・イニャリトゥ。2014年は、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ
奇跡)』にて、作品賞、監督賞、合わせて4部門を受賞した。
今回の作品では、脚本・製作も務め、大自然が猛威をふるう極寒の地で自然光のみ
を使った9ヵ月間のロケ撮影を敢行した。
映画のなかで一番、驚いたのはこのシーン。
一人、雪が降る冬の山を馬に乗ってさまよう。追ってから逃げる途中で崖から落ち
て、馬は当たり所が悪く死んでしまう。
その馬の腹にナイフを入れて、手を中に入れ、内臓を取り出す。『それを食糧とす
るのかな?』と、おもっていたら、いきなりその動物の内臓を取り出して空いた腹の
空間に、男はもぐり込む。
暖を取るため、動物の死体の中にもぐりこんで眠るという、なかなか想像のつかな
い、寒さのしのぎをするので、これには驚いた。馬の腹の中が「かまくら」か、もしく
はテントに変身したわけだ。まるで、馬の子供にでもなったようなシーンだ。
人間がどたんばで生きようとすることのすさまじさが、良く出ていた。
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