◎ 「ピッチ・パーフェクト」 (原題:Pitch Perfect) 2012年
監督 : ジェイソン・ムーア
楽器なしで声だけで、曲を感動的に歌いあげる。
アカペラと呼ばれるグループで名前が出てくるのは、日本ではゴスペラーズぐ
らいしか、浮かんでこないが、この映画は、男はなく大学での女性グループ。
最初のシーンは全国放送されている大学アカペラ選手権の場面から始まる。
最初は男子のチームで、次は何か一昔前のアメリカの映画をみているよう
なピチピチのコスチュームに身をまとった女子学生が、歌いだす。声はとても
きれいで、ぼくは気持ちよく聞いているのだが、曲の途中で、歌っている美人
の女性が、緊張のあまり『ゲー』と、ゲロを吐いてしまう。
それも、『体中の水分がなくなってしまうだろ!』と、つっこみたくなるほど
の豪快なゲロ。結果は、当然ゲロがもとで惨敗。
チームにもやめる人がでてしまい再結成を決意する。ところが、再結成した
メンバーは曲者ぞろい。レズビアンの人とか、自分で『セックスが好き」と語る
セックス中毒な人など。それにアジア人でアカペラなのに声がものすごく小さ
く見た目が奇妙な違和感を醸し出しているひと、丸タンクみたいに太った人
など・・・・。
最初は、みなそれぞれの個性がバラバラなのでまとまらない。
ゲロをはいたリーダーは、自分の意見にやたら固執する人で、昔通りの方法
でコンテストに臨もうとする。当然、そんな状態で歌はまとまらず、学生クラブ
の余興で歌ったら、学生の観客から「ビールがまずくなる」「もうよせ、降りてく
れ。金は払わない」と、ダメ出しされる始末。
そんなチームが、アカペラの特訓をしていたら、チームのメンバーがバラバラ
になる危機に。またもやリーダーがプレッシャーのあまり、ゲロの大噴射。リー
ダーの座を求めて意見が割れ大ケンカに。アジア人は、そのケンカで、こけて
そのゲロのまかれた床の中央に仰向け状態でころがる。顔を硬直させて、手足
をパタパタうごかしているさまは、ゴキブリホイホイに捕まったゴキみたい。
この映画はコメディ映画とはいえ、何故にこんなにゲロの大噴射を出すのか?
人間の体から出るもので、もっとも一般に嫌われているのは、大便とゲロ。
その反面、人間の体から出るもので、もっとも美しく人を感動させてくれる
奇跡の力をもつものが歌声ではないか?つまり、その対比的な効果を結果的
に映画は出しているのでは?
ところで、町山智裕がラジオ番組たまむすびで語ったているのだが、ピッチ・
パーフェクトっていうタイトルの意味は、『Perfect Pitch』って言葉があって『絶対
音感』という意味だそうだ。
また、続編の「ピッチ・パーフェクト2」は大ヒットしたとの事。「マッドマックス」を
抑え、全米初登場第1位を記録したと、アマゾンの説明に書かれている。
「ピッチ・パーフェクト2」では、本物のオバマ大統領が冒頭に出てきて、彼
の家族が出てくる前で、彼女たちが大統領に招かれてパフォーマンスする。
しかし、大変な事態になり、館内では大爆笑だったという。何がどうなるのかは、
ラジオ番組では語ってなくて、これは「2」もレンタルして是非観なくては・・・・・。
ちなみにピッチ・パーフェクト3は、2017年夏に全米公開が決まっている。
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