マンガ「子連れ狼」や「I・餓男」、「キンゾーの上がってなンボ!!」など、多くの大ヒット
漫画の原作者で知られる小池一夫氏が、元少年A(酒鬼薔薇聖斗)の週刊文春で
さらされてしまった現在の顔写真の報道に関して、このようにツイートしている。
週刊誌に元少年Aの姿が出ているらしいけど、しょうがないよね。自ら表舞台
に出て来たのだから。それで、殺人をネタに商売したのだから。少年法は、もう
君を守ってはくれない。きっと、世間の誰も君を守ってはくれない。あれだけ自分
に注目を集めたかった希望が叶っただけ。(小池一夫)
実にシンプルに核心をついた表現で、確かに自分で守ってくれていた全てをぶち
壊す行為にでてしまったのだから、今さら仮面をはがされそうになって、あわて
て逆上しても見苦しいだけだ。同じ犯罪者でも、佐川一政は、女性を殺して食べ
てしまった事件を元にマスコミに出て本を書いて生活していたが、顔を最初から
完全に出したうえでの活動だったから、少年Aよりは数段に潔いと言えるだろう。
少年Aが過去に犯した犯罪は、少年法で守られるべきだったのかどうか疑問をも
たざる得ないものなので、もう一度振り返りたい。
彼の犯した犯罪の内容抜きには、今回の顔写真を撮ったり、居場所を突き止めた
りする週刊文春の行動の意味があいまいなものになるからだ。
当時14歳の少年Aが起こした神戸連続児童殺傷事件は約20年前の1997年に
発生した。児童2名が死亡し、3名が重軽傷を負った痛ましい事件だ。
第一の事件は1997年2月10日午後4時頃。
神戸市の路上で小学生の女児2人が少年Aにハンマーで殴られ、一人は重傷を
負った。
第二の事件は1997年3月16日午後0時25分。
神戸市内の公園で、少年Aは付近にいた小学生の女児に対し、手を洗える場所
はないかと尋ね、学校に案内してもらう。「お礼を言いたいのでこっちを向いて下
さい」(少年Aの日記による)と言い、振り返った女児を、八角げんのう(金槌の
一種)で殴りつけ逃走。女児は3月27日に脳挫傷で死亡した。
逃走中の午後0時35分頃、少年Aは別の小学生の女児を見つけ、小刀(刃渡り13
センチ)で腹を刺して2週間の怪我を負わせた。
第三の事件は1997年5月24日午後。
神戸市に住む小学校6年の淳(じゅん)君を殺害。少年は祖父の家に行くと言っ
て昼過ぎに家を出た後、少年Aと偶然出会ったとみられる。少年Aは少年に対し
「青い色の亀がいる」といって近所の高台に誘い出し、その場で絞殺して遺体を
隠した。
5月25日、少年Aは前日の殺害現場を訪れ、少年の遺体の首を金のこぎりで切断、
頭部のみ家に持ち帰った。
5月27日早朝、午前6時40分、市立友が丘中学校・正門前に、淳君の頭部がむき
出しの状態で置かれていた。門を開けようとした管理人が発見した。首のほぼ
中央部分で切断された頭部は発見されたとき、登校してくる子どもらを迎えるよう
な格好で校舎の反対の方向を向けられ、まっすぐに立てられていた。
口には紙片が差し込まれており、内容は犯行についての声明文であった。この
中で少年Aは自らを「酒鬼薔薇聖斗」(さかきばら・せいと)と称し、捜査機関等に
対する挑戦的な文言を綴っている。
さあ、ゲームの始まりです
警察諸君、私を止めてみたまえ
人の死が見たくてしょうがない
私は殺しが愉快でたまらない
積年の大怨に流血の裁きを
SHOOLL KILL
学校殺死の酒鬼薔薇聖斗
<SHOOLL KILL>は少年Aがこれで「スクールキラー」と読むものだと思って
書いたとのちに答えている。
さらに、そのあと「キラー」は「KILLER」が正しいことが分かり、のちに神戸新聞
社宛てに送った犯行声明文には、<SHOOLL KILLER>と書いている。
だが、「スクール」の正しいスペルが「SCHOOL」であることには気付かなかった。
6月28日、現場近くに住む少年Aに朝から任意同行を求め、事情を聞いていたとこ
ろで犯行を自供。少年Aは当初犯行を否認していたが、取調官が第一の犯行声明
文のカラーコピーを取り出して、「これが君の書いたものであるということは、はっき
りしている。筆跡が一致したんや」と突きつけると、声を上げて泣き出し、自供を始
めた。
1997年(平成9年)10月13日 - 神戸家庭裁判所は少年を医療少年院送致が相当
と判断、関東医療少年院に移される。
2001年(平成13年)11月27日 - 治療が順調であるとの判断から、東北少年院
(中等少年院)に移る。
2004年(平成16年)3月10日 - 成人した少年は少年院を仮退院。この情報は法務
省を通じ、被害者の家族に連絡された。
2005年(平成17年)1月1日 - 少年の本退院が認可される。
元少年Aは昨年6月、被害者遺族にも無断で、手記「絶歌」を匿名で出版。
その是非が社会問題となったが、メディアの取材には一切応じていなかった。
「絶歌」(税別1500円)の初版は10万部で刊行。
2015年7月21日に刷り上がる第3刷までの累計発行部数は25万部。売り上げは
3億7500万円。元少年Aの印税 … 3750万円程度と推測されている。
手記出版後に自身の公式ホームページを立ち上げて顔を隠した自身の写真を
掲載したり、文章を有料配信したりと、その動向に注目が集まっていた。
小池一夫のツイートをもう一件。
元少年Aが、週刊誌の記者にすごく怒りをあらわにしたという話だが、大事な
大事な子どもを惨殺されたり傷つけたり、それをネタに本を出版された被害者に
したら、怒りなンか通り越してる。中年Aには、怒る資格などないのだ。
(小池一夫)
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