イマジン

「イマジン」   ( 原題:Imagine )
監督・脚本 :アンジェイ・ヤキモフスキ  
2012年 ポーランド・ポルトガル・フランス・イギリス合作
キャスト   : エドワード・ホッグ、アレクサンドラ・マリア・ララ

「イマジン」というタイトルから、ビートルズが関係あるのかと
おもったら、そんなことはなくて、盲学校での話し。盲学校での
恋愛というと、ぼくは聾唖者の学校での教師と学生の恋愛を描

いた「愛は静けさの中に」を想い出した。主演はウィリアム・ハー
トであれは実にいい恋愛映画だった。


『その面白さに影響を受けて、作った映画かな?』と疑いつつ、
名画座でやっていたので、観に行った。同時上映は「おみおくり
の作法」という映画だった。


この「イマジン」という映画は大当たりだった。
主人公のイアン(エドワード・ホッグ)は、義眼の男だが、杖を使わ

ずに“手打ち”や“舌打ち”など自ら発した音の反響で自分の周り

に何があるかを推理して行動するという一つの奇跡を見せてくれ

る。


盲学校の生徒達は、『つえを使わずに歩くなんて実は見えている
のではないか?』と疑うほどだ。


(ちなみに、日本では目が見えない者は、道路を通行するときは、
杖を携えるか、盲導犬を連れていなければならないとの事。)


この映画は、目が見えずに外の人通りの多い街を歩くことがいか

に困難か、そしていかに多くの想像力を総動員する必要があるか

を示唆してくれる。日常の物事の見方を新しくさせてくれるような
驚きがあった。


男性教師の出現で、自室に引きこもりがちの成人女性・エヴァも
外に一歩を踏み出すようになる。その女性とイアンが外でデート
をしてテラスのカフェで交わした会話の内容が後で、全て嘘で固
められた話しなのではないか?という疑いが出てくる。


ここいらのストリーはまるで、スリラー映画のようでもあり、主人公

の教師として男性としてその存在そのものを問いただしてくる。


この映画はポーランド映画ということで、あまりなじみがない気が
するのだが、ポーランド映画を勧めている映画記事のタイトルを
読むと、意外に観たり聞いたりした事のある映画であることを知る。


あるサイト でポーランド映画のお勧めの7選として挙げているのは、

1位 灰とダイヤモンド
2位 地下水道
3位 戦場のピアニスト
4位 水の中のナイフ
5位 カティンの森
6位 おとなのけんか
7位 大理石の男

との事だが、ぼくなら1位に今回観た映画『イマジン』を挙げたいと
ころだ。


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