HIKARI-MAN

会社の人が勧めてくれた漫画が、山本英夫の「殺し屋1(イチ)」で、これ
が一気読みしてしまうほど面白かった。
殺し屋と言えば、非情なイメージがあるのだが、この主人公はぐしゃぐしゃ
に泣いてしまう殺し屋で、そこのギャップが面白かった。


そして、山本英夫は、「殺し屋1」の後に「ホムンクルス」という漫画を
描いた。でもその漫画はストリーが、こみいっていて、前衛的でわかりにく
くて、ぼくは読むのを途中でやめてしまった。


その後に、ビックコミックスピリッツで連載した作品の「HIKARI-MAN」、
これには新たな衝撃を受けた。

他の作品を圧して、漫画のキャラに躍動感があり、『ひさびさに早く続き
を読みたい、新しく単行本が出たら、即買いたい』と思わせるマンガだった。

この主人公も、格闘技に入る前のおとなしいおぼっちゃん風のキャラと、
電気が体に入って、人格・体力が入れ替わったようになったときのその

ギャップが面白い。


高校生でオタクで童貞で、友達もいない空気のような存在の白池 光
(しろち ひかり)は、学校では格闘ゲームばかりやっていて、自宅ではPC
改造にハマっていて、いつも自分の世界に閉じこもっている。


教室内で、不良たちが空手のまねごとをしている。同級生に不良がスパー

リングパートナーという名の元に暴力をふるっていても、光は、見て見ぬふ

りを決め込んで、テレビゲームをひたすら続けている。


あるとき、教室でむりやり不良に引っ張り出される。同級生の海斗の代わ

りに空手のサンドバック用に立たされて、ケリを受けることになる。
意外に、光はおびえもせずに、相手になる為に不良達の元に向かう。

不良は忠告する。


「海斗のヘッドギアかぶってこいよ。」
「これはあくまでも格闘技の勉強会だろ。 鼻折ったり歯折ったり、一目
見てわかるようなケガされて誤解されたら、俺たちも困るんだよ。」


「初ものだから手加減してやれよ~」というおちょくりと、
「ただ、ほんのちょっと違うぞ。ゲームとは♪」

という脅し文句と・・・・・・「これが本物だっ!」「出たお得意の後ろ回し!」
という掛け声と共に、光の顔面めがけて相手はケリを入れてくる。

ところが、そのケリより数倍速く、光のケリが不良の顔面の手前ぎりぎり
で決まり、光自身も相手の不良も、見学していた女子もお互いに意外な
展開に言葉を失う。


教室内にザワザワとした波紋が広がる。何かスカっとした風のようなさわ
やかさと痛快さを感じる名場面。ここを読んでから、これは週刊誌では
なくて単行本になってから、まとめて読もうと、思い至った。


「ホムンクルス」を描いてから、4年経っての新連載の「HIKARI-MAN」。
この間の状況をインタビューで山本英夫は語っている。
(※ 以下、印象に残った部分を抜粋。全文、確認したい方は、最後に貼っ

てあるリンクを辿ってください。)


──本日はお忙しいところありがとうございます。「ホムンクルス」の完結
以来約4年ぶりの新連載に対する思いは、率直に言っていかがでしょうか。


そうですね……やっぱり自分がマンガを描いていると、それが載ってい
る雑誌が書店やコンビニで売られたり、単行本が並んでいるのを見たり
するのが、楽しいというか、ほんの少し生きている感じがするんです。そう
いうのは、久々の楽しみではありますね。


──「ホムンクルス」終了から、「HIKARI-MAN」が生まれるに至った経緯
を教えていただけますか。


実は「ホムンクルス」が終わった後は当分、原作業に専念してお話作りを
楽しみたいという気持ちがあって……。まだマンガとしては形になっていな
いですが、いろいろシナリオを書いたりしていたんです。そうこうしている
間に4年ぐらい経って、貯金も減っていくし、さっき言ったもどかしさもあった
ので、そろそろマンガ家としてオリジナルの作品をしっかり描こうかと。


──読者に向けて、ここを特に読んでほしい、という部分はありますか?


僕は「ホムンクルス」が終わってから、原作者としてやってきたいと思った
瞬間があるくらい、どっちかというとお話を読んでほしいタイプだったんで
すけど……今回はちょっと、絵に力が入っているので、そこを読んでほし
いかな。歌でいうと、詞よりもメロディを楽しんでほしいというか。それこそ
雑誌を手に取って、活字は読まなくとも、絵だけは見てほしいです。それ
だけで多分、伝わるものがあると思うので。


──4年ぶりに絵を描かれてみて、手応えはどうでしょう。


いやー、楽しいですね。もう飽きてきましたけど(笑)。


参照:山本英夫「HIKARI-MAN」インタビュー 「ホムンクルス」から4年 ...
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