三菱重工ビル爆破事件

フジテレビで1974年8月30日に起った三菱重工ビル爆破事件を放送

するというので、興味を持った。 5月22日の金曜日、夜9時からの約2

時間のドキュメンタリードラマとして放送になるという。

ぼくはさっそく録画予約をした。


約40年前に起ったこのテロ事件の三菱重工丸の内本社爆破事件では、

死者8名、負傷者385名が出ている。場所は、東京都千代田区丸の内

二丁目で、時間は午後0時45分ごろ。


ダイナマイトおよそ七百本分という爆弾の威力は凄まじく、一帯は、さなが
ら激しい空爆を受けたように惨状を呈し、窓ガラスが吹き飛び、柱は曲がり、
コンクリート片が路上に突き刺さった。
この爆破事件で、丸の内仲通りに面した企業ビルの窓ガラスは、四千枚も

砕け散った。


日本の犯罪史上、未曾有の爆弾テロで、付近のビルは窓ガラスが全て壊れ、
割れたガラスは凶器となって路上の人々に降り注いだ。
この事件の爆破によって飛び散ったガラス片が人体に被害を与えたことが

注目され、この事件以降はガラスが割れて飛び散っても人が守られるような

対策が進められた。


被害は、オウム真理教による松本サリン事件(1994年)と地下鉄サリン事件
(1995年)迄は最大規模であった。この時の爆発音は新宿でも聞こえたとい

う。


事件を起こしたのは「東アジア反日武装戦線」と名乗る過激派組織。彼らは、
この事件を皮切りに三井物産、帝人など次々と企業ビルの爆破を企てる。
日本が経済的にアジアを侵略しているとして、企業をターゲットに無差別爆弾
テロを繰り返した。


「東アジア反日武装戦線」は第二次世界大戦(1939年~1945年)以前の日本
を完全な悪と捉えており、太平洋戦争(1941年12月~1945年9月)を侵略戦争
として憎んでいた。


戦前・戦中に日本の重工業を支え、戦後も日本を代表する重工メーカーであ
り、防衛産業を手掛け、海外進出を行っていた三菱重工業は現在において

も「帝国主義」であると断定。
そこで働く労働者もその罪に加担していると考え、グループの政治思想に
基づき「経済的にアジアを侵略している」として無差別爆破テロに至った。


事件後に、警視総監に就任した土田國保(つちだ くにやす)は事件解決に
並々ならぬ決意があった。「爆破事件は必ず解決する」。
実は3年前にお歳暮に擬装された爆弾が自宅に郵送され、爆発により妻が

即死、13歳だった四男は重傷を負った。


次々と企業ビルを爆破した過激派組織「東アジア反日武装戦線」。彼らは
“狼”、“大地の牙”、“さそり”と三つのグループに分かれ犯行を重ねた。
警察に悟られないよう“狼”は普段通りの生活を心がける。普通の会社員を
装う者、カモフラージュのため宗教に入信している者もいる。アパートの地下

に作った隠し部屋で爆弾を製造、その音を隠すためにカセットでお経の声を
流し続けて…。


いざというときのために青酸カリ入りのカプセルを常備していた“狼”だが、
警察の捜査は着実に彼らの周囲に迫っていた。そして…。

警視庁公安部は爆破事件から九か月後、この謎の犯人グループを一網

打尽にした。だが、犯人の一部は、その後に起こったクアラルンプール事件

やダッカ事件といった国際人質事件によって、超法規的措置で“出国”して

いった。
警視庁公安部と犯人との闘いは、「現在」も続いている。


チーフプロデューサー・岡田宏記氏は、この番組に関してこのように語った。

「この企画は昨年提案していたのですが、40年前の事件ということで記憶し
ている人がほとんどおらず、暗礁に乗り上げていました。それが今年に入っ
てからの海外のテロ事件の続発と邦人にも犠牲者が出たことで、改めて

日本にもテロが吹き荒れていた時代があったのだと気づいてもらえ、GOに

なったものです。

(中略)

捜査の機微にかかわる話など今まで知らないエピソードの連続で、驚きでし
た。その驚きが少しでも表現でき、当時を知らない世代の人たちにも伝わる
といいなと思っています」

参照:金曜プレミアム・連続企業爆破テロ 40年目の真実 ... - フジテレビ
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