ドバイと言えば、トムクルーズ主演の映画「ミッション:インポッシブル/ゴースト・
プロトコル」の舞台にもなり、砂漠にできた夢のある人工都市というイメージだ。
ところが、その夢のあるドバイで、強姦被害にあった女性にとんでもない判決が
出ている。


アラブ首長国連邦のドバイで、ノルウェー人女性が強姦被害を当局に届け出た
ところ、不適切な性行為を行ったとして逆に収監されていたことが明らかになっ
たという。


● 婚外性交渉と公の場での飲酒の罪
この女性はインテリアデザイナーのマルテ・デボラ・ダレルブさん(24)。
ドバイの裁判所は17日、ダレルブさんに対し姦通罪や飲酒などの罪で禁錮1年
4月の有罪判決を言い渡した。


ダレルブさんによると、男性同僚とお酒を飲んだ後、ホテルの自分の部屋を探して
ほしいと頼んだところ、この同僚が宿泊していた部屋に連れて行かれ暴行を受けた
という。


むぅびぃ・とりっぷ-マルテ・デボラ・ダレルブ

ダレルブさんは今年3月に同僚3人とともにドバイへ出張した。夜中にホテルのバー
から部屋に戻る際に、スーダン人の同僚男性に送ってほしいと頼んだ。ところが自室
とは違う部屋へ連れて行かれた。
ダレルブさんは抵抗したが一瞬気を失い、気付いた時には強姦されていたという。
目覚ましのノックがあったのをきっかけに逃げ出し、ホテルの受付から警察に通報
した。


男性の警察官10~12人が駆けつけ、ダレルブさんと同僚の双方から事情を聴い
た。ダレルブさんはその後、市内の警察署へ連行され、綿密な身体検査やアル
コール検査を受けた。持ち物を没収され、理由の説明がないまま収監されたという。


ダレルブさんは事件の1カ月後、加害者の同僚とともに、「仕事上の会合で酒を飲み
警察ざたになった」との理由で解雇された。


● 強姦の罪が認められることはまれ
ダレルブさんは控訴審判決が出るまでの間、ドバイにあるノルウェー・クリスチャン
センターに留まることを条件に釈放された。取材に応じたダレルブさん
は、通報したことは後悔していないと語った。その上で「真実が明らかになること
こそ、私がこの困難を乗り越えられる唯一の道だ」と述べた。


イスラム法を採用しているアラブ首長国連邦(UAE)では強姦罪が成立するために
は自白または4人の成人男性による目撃証言が必要となるとの事。
逆に考えると、4人の目撃と証言さえなければ、強姦は罪に問われないという事に
なってしまう。


英国を拠点とする人権団体によると、ダレルブさんの事例以外にも、強姦の被害を
届けた英国人女性が飲酒罪で罰金刑を科せられたり、オーストラリア人女性が集団
レイプ被害を警察に通報したところ、11カ月にわたり収監されたなどの事例が報告
されているという。


その後、幸いな事にドバイ首長のムハンマド・ビン・ラシド・マクトム首相兼副大統
領の恩赦を受け、ダレルブさんは釈放された。

帰国後、ダレルブさんはノルウェー紙アフテンポステンとのインタビューで、雇用
主の言葉をうのみにしたために婚外性交渉の罪に問われることになったと説明した。


ダレルブさんによると、雇用主は「ドバイでは強姦の罪が認められることは非常に
まれ」と説明し、強姦被害での告訴を取り下げるようダレルブさんを説得した。
しかし、この助言に従って告訴を取り下げたことが、ダレルブさんを偽証と婚外性交
渉の罪に問うための根拠になってしまったとの事。


「人生の中で最も大きな間違いだった。信じられないくらいばかだったけれど、それ
が私が受けたアドバイスだった」とダレルブさんは語った。


ダレルブさんは、UAEでは欧米の基準や法的保護が通用せず、多くの人に注意を
促したいと語った。「ドバイは見た目は欧米と変わらないが、ほとんどの旅行者は、
例えば飲酒が違法だということを知らない」と警鐘を鳴らした。


『え?ドバイって、飲酒が違法?』
まさしく、驚きの事実。他国に旅たつときは、その国の事情を知ってからでないと、
とんでもない事になってしまう。

参照:ドバイで強姦訴え有罪判決の女性が帰国、雇用主の助言が落とし穴に
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