「苦役列車」は、西村賢太の同名小説を映画化した作品。この作品は芥川賞を受賞
している。
ピンク映画の脚本・監督を手掛けるいまおかしんじが脚色し、監督は山下敦弘。
西村賢太の小説は、面白い。彼の作品は、随筆や対談集以外はほとんど読んだ。
この前、NHKで「ようこそ先輩」という番組で、小学生に私小説を書かせていたのも
面白かった。
「苦役列車」は、ぼくは小説で充分、楽しめたから、映画で再度楽しめるかどうかは
わからない。
但し、週刊文春「Cineme Chart」を読むと作家・斎藤綾子はこの作品に☆5個のうち、
4個、おなじくコラムニスト・中野翠(みどり)も4個つけている。
意外に映画も面白いのかもしれない。
斎藤綾子の感想、
「人間関係を上手くつくれない主人公のさもしく下劣な姿に思わず自己投影。貧しさに
身悶えしつつ、潔さも楽しめる」
西村賢太の小説では、銭湯に行って必ず出会う「わきがの強い男」の話が面白かった。
タイトルは、「腋臭風呂」という。
いや面白いというより、何か気になって忘れられない味を持っているのだ。
これはなんだろう?
まるで何度みても、見直したくなる映画「ノーカントリー」につながる不思議さかもし
れない。