25. ランダ・ヘインズ 「愛は静けさの中に」(1986年)


あまり恋愛映画のみの作品には惹かれないのだけれど、「愛は静けさの中に」は
別格。とにかく心に染みてよかった。


聾学校で赴任してきた型破りの教師をウイリアムハートが演じ、相手役の聾学校
で掃除婦として働く、美しい女性サラ役には、マーリン・マトリンが演じた。
本作品で彼女はオスカー獲得。実際にウイリアムハートともおつきあいしたとの
こと。また、彼女は、演技だけではなく実際に聾唖者でもあった。


26. 澤井信一郎「Wの悲劇」(1984年)


三田佳子の悪女役がはまっていて、演技の凄みをみせてくれる。
また、薬師丸ひろ子の魅力が光っていて、アイドルから脱皮して本格的な女優に
開花した記念すべき作品。
彼女自身が歌っていた主題歌もいい曲で、大ヒットした。


推理物として、物語も魅せてくれる。夏樹静子の原作を映画化しているが、内容は
澤井信一郎監督と脚本の荒井晴彦によるオリジナルと言っていいとのこと。

『角川春樹が製作した一連の作品の中では最高傑作といえる作品』と、商品紹介

がAmazonでされているが、僕も同感。


27. 和田誠 「麻雀放浪記」(1984年)


Wの悲劇という傑作が放映された同じ年に、角川春樹が製作したもう一本の忘れら
れない名作が生まれている。
映像は混乱期の雰囲気を意識して、モノクロになっている。原作者は、阿佐田哲也。


阿佐田哲也は、麻雀小説を書くときのペンネームで、色川武大(いろかわ たけひろ)
という直木賞作家でもある。
監督は、イラストレーターでもある和田誠。麻雀を知らなくても楽しめる娯楽作品
に仕上がっている。


出ている役者も良くて、真田広之、鹿賀丈史、加賀まりこ、大竹しのぶなど、そう
そうたるメンバー。もともとは、ドサ健役に松田優作を予定していたが、折り合い
がつかず変更となったという。どこで、どのように折り合いがつかなかったのか気に
なるところだが……。


和田誠というと、僕のイメージではイラストが浮かんでくる。カラーインクを使っ
たとても味わいのある似顔絵のイラストや、星新一の文庫本のイラストが印象深い。
現在では、週刊文春の表紙を描いている。
まさか映画までこんなに才能あふれる作品を作れることは驚きだった。


麻雀放浪記を観て、影響された母が父から麻雀を教えてもらい、それに影響されて
僕も妻も麻雀を覚えた。そうゆう意味でも、忘れられない映画。


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