1月16日、タクシー運転手の矢口行さん49歳が、性器を切り取られた状態で
東京都昭島市のアパートで発見された。死因は出血性ショック。
部屋には矢口さんが歩き回った足跡があり、凶器と見られる文化包丁は寝室
隣の四畳半に置かれ、切り取られた性器は、ベットの下から発見されたという。
「アソコの部分は穴が開いたような感じで、根本からごっそりなくなっていた」
(第一発見者である上司)
その後、交際中のA子さんとのトラブルが浮上し、”平成の阿部定事件か”と
騒がれたという。確かに、このニュースを聞いたときは、ぼくも阿部定事件を
思い出していた。
精神科医でヒガノクリニック院長の日向野春総氏は「相手に相当な敵意がない
と男性器を切り取る行為にまでは至りません。背景としては愛情のもつれや、
金銭トラブルがある場合などが考えられます」と話す。
「同性愛者の男性同士のケースでは、嫉妬から相手の局部を切り取る事例は
多いのですが、女性ではこうした行為はまれ。仮に及ぶとしても金銭の恨み
がかかわることが多い。阿部定事件でも、背景にお金に関するトラブルがあっ
たという指摘もある。警察は、さまざまな可能性を考慮して捜査をしている
はずです」(日向野氏)
これは、真相がわかる前の日向野氏の発言。
そして結果、『女性ではこうゆう行為はまれ』と、否定したことが正解となる
顛末となった。
犯行現場には矢口さん以外の足跡はなく、侵入・逃亡の形跡がない。争った
際にできる防御創もまく、遺体からは覚醒剤の成分が検出されたという。
捜査関係者から「覚醒剤で錯乱した上での自殺」との見方が一気に強まった。
それにしても、局部を切り取っての自殺というのは、どんな錯乱状態だったの
か?覚醒剤の怖さをつくづく感じさせる事件だ。
週刊文春 2月2日号では、この事件を取り上げており、Aさんの実家で父親が
答えた内容が掲載されている。
「娘も私も警察に呼ばれましたが、娘が、『お父さん、私が人を殺すような
人間にみえるか』って真剣なまなざしで言ったんです。娘はペットショップで
他の犬にいじめられていた売れ残りの犬を不憫に思って、十万円で引き取った
こともある。
あんなことできる子じゃないんです。私は特攻隊の出ですから、もしあの子が
やったのなら私もカッターナイフで動脈を切って自殺するつもりでした。
”第二の阿部定事件”などと騒ぎ立てられて本当に悔しいです。私は娘を信じ
ていますから」