16. ブライアン・デ・パルマ 「ボディ・ダブル」 (1984年)
ブライアン・デ・パルマという監督の名を意識したのは、この作品を観てからの
事だった。エロティシズムとスリラーが融合したみごとな作品だった。
ヒッチコックを意識した映画作りということは、彼の場合にさんざんいろんな
ところで言われているが、ぼくにはそれはどうでもいいことだった。
なぜなら、彼の作品は、ヒッチコックの作品より数倍、面白い映画だから。
17. ブライアン・デ・パルマ 「キャリー」 (1976年)
湯気がぼうぼうの女生徒達のシャワーシーンから始まるこの映画は、一人の苛め
られっ子の悲鳴から始まり、最後は悲鳴が狂気に変わる。
主人公の女性の母親に封印された性のパワーが魔力となって爆発したかのごと
く感じさせた。そして、何か破壊と空しさまでぼくはこの映画から感じた。
デ・パルマお得意の主人公の廻りを、めまいがするがごとくグルグル廻るカメラア
ングルが実に効果的に使われている。
原作は、ベストセラー作家のスティーブン・キング。彼の作品はいろんな監督が
映画化しているが、ぼくはこの作品が一番好きだ。
18. ブライアン・デ・パルマ 「殺しのドレス」 (1980年)
お色気ムンムンの中年の女性が、画廊で知り合った男性とベットを共にし、その
男性の正体に唖然とする出だしがいい。
この映画は、アメリカから来た英語の女教師の家にぼくを含めた数名の生徒が
招待されて、そこで見た。
デ・パルマのスリラー映画には、エッチなシーンがけっこうあり、アメリカの女教師
も、そのシーンでは 「みなさん、見てはいけないですねぇ」
と、笑いながら言っていたのもなつかしい思い出だ。
とにかく吸引力の強い映画で、みんなで画面に引き付けられて、じっくり見た記憶
がある。