⑦ フランク・ダラボン「ミスト」(2007年)


人間が異常事態に対面したときに、普段とは見せる別の顔(性格や
行動)。これがもっとも怖い、ということを痛感させてくれる映画。

原作はスティーヴン・キング。監督は以前にもキング原作の、
「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」を監督し、いずれも
成功させている実力派。


⑧ ダーレン・アロノフスキー「ブラック・スワン」(2010年)


この映画が面白くないという人がぼくの周りには数人いる。
ぼくには、とても面白い忘れられない映画なのに。『人によって面白い
面白くないの境界線とは、どんな体験やものの考え方によってできる
のだろう?』と、ぼくは考えてしまった。


バレーを踊る彼女の息遣いの荒さまでを、この映画は意識的に拾って
いる。だから、優雅な踊りをみせられつつも何か息苦しくなってくる
のだ。そして背中にタトゥーのあるライバルの女の子の色っぽかった
事。どこかラストに死の匂いが映画からかんじられてくるのは、前作
の「レスラー」でも同じだった。死と体を張った美の世界を感じた。


⑨ デヴィッド・フィンチャー「ソーシャル・ネットワーク」(2010年)


オープニング場面で、ハーバード大学生のマークが恋人の反応をまるで
無視してやたらと話しまくる。空虚な勢いだけのおしゃべりの場面からひ

きつけられた。その、おしゃべりの内容に傷つけられ、「アンタがモテない

のは性格がサイテーだからよ」と、言って彼女は去っていく。


彼女にふられて、それが元で作ったサイト「ザ・フェイスブック」から
青年の運命の変化が急速に始まる。


まるで、話すスピードと同じように、なりふりかまわず世間に自分の思い

を直球で投げかけて行く。
青年・マーク・ザッカーバーグの人生の駆け上りかたの激しさに、ひき

つけられた。


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