2011年10月に刊行された長編小説「すべて真夜中の恋人たち」(講談社)
に関して著者の川上未映子さん(35)に語ってもらっている記事がある。
その中で、自身の創作に関して語っている言葉がぼくは好きだ。
「私は頭の中で想像力を働かせて小説を書き、日々の糧を得ている。そ
れが何によって可能なのか考えました。つらいことや逃避したい気持ち
があって、「物語の方へ来よう」と誰かが思う過酷な現実があるからこ
そ、フィクションが存在できるのです。それを肝に銘じなければいけない。
私の考えるフィクションとは、つらかったり、悲しかったり、弱っていた
りするとき、それを半分にしてくれたり、やわらげてくれたりする力を
持つもの。その思いは今後も変わらないと思いますね。
何か彼女の優しさがにじみ出ているような発言だ。
川上未映子さんは、平成20年に「乳と卵」で第138回芥川賞を受賞。
21年、詩集「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」で第14回
中原中也賞。
22年には映画「パンドラの匣」でキネマ旬報新人女優賞。長編小説
「ヘヴン」で芸術選奨文部科学大臣新人賞と第20回紫式部文学賞。
と、賞を取りまくりのとにかく大活躍な人。
2006年に、所属レコード会社の元担当者と結婚していたが、のちに
離婚したようだ。
芥川賞作家の阿部和重さん(43)と結婚していたことが30日、分かっ
た。1日発売の「週刊新潮」のインタビュー記事で公表する。
出版関係者によると、芥川賞作家どうしが結婚するのは、初めてでは
ないかとのこと。
10月に婚姻届を提出し、川上さんは妊娠中で来年初夏に出産予定。
阿部さんは「グランド・フィナーレ」で2017年に、芥川賞を受賞。
その後も、「ピストルズ」で谷崎潤一郎賞を受賞するなど、活躍を続けて
いる。
川上さんは「お互いに尊重しあっていければ」と話している。
