11月22日は、いい夫婦の日の記念日だということで、4人の人気漫画家
の奥さんが、週刊文春(11月24日号)でなれそめや、夫の魅力に関して語っ
ている。これが、内容が濃くて、思ったより読ませてくれた。
魔夜峰央や永井豪のように、自分が好きなマンガ家の話だと、なおさら
面白く読めた。全文、紹介したいところだけど、そうもいかないので心に
残った言葉を紹介していきます。
○ 「沈黙の艦隊」のかわぐちかいじ夫人 川口亜子(かわぐち・つぎこ)さん
・夫のここが凄い!
酔って次回作の構想を話してる時は「そんなつまらない内容で大丈夫
なの?」って思うんです。でもそれが作品として形になって、会話ではた
どらなかった台詞や絵が連なった原稿を見ると、ああ、やっぱりすごい
なと思いますね
○ 「デビルマン」の永井豪夫人 永井淳子さん
・夫のここが凄い!
真理をキャッチする能力ですね。例えば、映画の感想などでも、主人
はその内容の面白さをキャッチコピーのような短文で余すところなく
表現してしまうのです。
様々なことから真理を読み取り、作品に反映させていると思います
二人の出会いは取材だった。
TVレポーターの仕事をしていた淳子さんは永井氏と初めて会った時
「自分の魂の片割れがいる!」と感じたという。
「会ったときに、私の持てる能力を全てこのひとに使いたいって思っ
ちゃったんです。幼い頃から感じていた”孤独感”を解放してくれた
ひとなんです」
どんなところに惹かれたのか
「才能を磨きながら多大な業績を残しているところは勿論ですが、
無邪気でユーモアのセンスに溢れ、一緒に居て楽しいところも大きな
魅力です。
結婚当時は精神的に「少年」でしたが、最近は「青年」になりました」
淳子さんは「でも何より」と続けた。
「私は他人に期待してしまうのですが、主人は期待しないんです。言い
かえれば、ありのままを受け入れる・・・・・・人間に対して計り知れないく
らい優しいひとだと思います。
主人の作品に出てくるキャラクターは、
他人ではなく自身なんです。キューティーハニーのようなキュートな感性、
デビルマンのような高潔さと攻撃性、まろのような無邪気な可愛さ。毎日
色々な人格が出てくるので飽きません(笑)」
これだけ、夫のことをベタホメな奥さんもめずらしいのではないか。
永井豪といえば、ぼくの印象でいえば「ハレンチ学園」の大ヒットの印象
がとても強くて、キャラクター的には、エッチで面白い漫画家というイ
メージが強かった。
でも、こんなに奥さんに惚れられていたら、浮気したら大変な事になり
そうだ。というのは余計なお世話だろうが……。
○ 「海猿」佐藤秀峰夫人 佐藤知美さん
・夫のここが凄い!
漫画家として”漫画を描き続けるという意思があるところだと思います。
自分の作品を描かないで評論家みたいになっているアシスタントにも、
「描かなかったらだめだ」って言ってますね。「描いているうちは希望
がある」って
漫画家志望だった智美さんはアシスタント募集に応募し、新人漫画家
だった佐藤秀峰氏を紹介された。
「「漫画家の佐藤です」と言われても最初わからなくて「誰?」って
感じだったんですが・・・・・・「こういうの描いてんだ」って海猿の一巻の
見開きのところを見せてもらって”かっこいい!”って。特に煙の絵が
私好みで・・・・・・素敵な煙だったんですよ(笑)」
絵はかっこいいと思ったものの、佐藤氏の第一印象は「猫背のひとだな
あ・・・・・・」。その後、アシスタントになった智美さんに「僕が禁煙に
成功したらどこかにいこうよ」と佐藤氏がアタックしたことで、デート
が実現。一年の交際を経て結婚した。
本人の素敵さより、煙の絵の素敵さに惹かれたという、そのまるですぐに
消えてしまうかのような不思議な味わいの出会いがいい。
○ 「パタリロ」魔夜峰央夫人 山田芳実さん
・夫のここが凄い!
キャラクターに命を吹き込むことにすごく才能を感じます。ちょっと
押したらターッと走っていくような・・・・・・。主人の描くキャラクター
は活き活きしていてパタリロとバンコランの掛け合いなどは何度読ん
でも笑ってしまいますね
三十年前、高校生だった芳実さんは、魔夜氏のファンクラブの会合に
遊びに行った。バレエ少女だった芳実さんに魔夜氏が一目惚れしたと
いう。
人前で決してサングラスを外さなかったという魔夜氏は、初デートの
映画館で芳実さんに素顔を見せてくれた。
「「はじめて(顔を)見た」と言うとウィンクしてくれました。年が
十歳近く離れているんですが、そういう茶目っ気のあるところが可愛い
なと(笑)」
芳実さんは、魔夜氏の作品から出てきたような女性で、現在は自宅で
バレエ教室を開いている。
芳実さんが何よりも驚いたのは、その美意識の高さだった。
「夏なのに、黒いスーツ着てネクタイ締めて・・・・・・主人はすごい汗かき
なんですね。
なんでこの人は八月の一番暑い日に、こんなに暑苦しい格好をしているん
だろうって・・・・・・鏡を見る回数もすっごく多くて、その度に髪を直すので
「こうでなくてはいけない」というものがあるんだなと。すごいひとだな
あって」
魔夜氏は「少年誌は絵が汚いから嫌だ」と、少女誌にしか作品を応募し
なかったという逸話を残している。
「十九年前に主人が突然倒れて意識不明になった時があるんです。なん
とか一命を取り留めて目を覚ました時、私を見て
「口紅だけはつけて・・・・・・」って。
それを聞いた時に、「ああ、やっと峰央さんらしくなった」って」
この4人の奥さんが語る漫画家を読んでいると、やはり一番変わっている
のは魔夜峰央のような気がする。
とても細かい線で、パタリロというちょっと太っちょで、ドラネコのようなイ
メージのあるキャラクターは本当に面白い。ぼくも妹に少女マンガを借りた
学生の頃に何度か読んでいる。
その内容も少し同性愛の内容がふくまれていたり、ギャグマンガなんだけれ
ど、どこか異色なイメージを感じたものだ。
魔夜峰央が、一命を取り留めて目を覚ました時に奥さんに「口紅だけはつ
けて・・・・・・」と、要求するところが面白い。
ぼくの場合は正反対で、素顔が一番自然でいいと思っているので、化粧を
した妻には化粧をはやく落とすようにお願いしているくらいだから。
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参照:文藝春秋|雑誌|週刊文春_111124