- 猿の惑星:創世記(ジェネシス) [DVD]/出演者不明
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◎ 猿の惑星:創世記(ジェネシス) 2011年/アメリカ
監督:ルパート・ワイアット
出演:ジェームズ・フランコ、フリーダ・ピント、ジョン・リスゴー
人気SFシリーズの第1作「猿の惑星」(1968)を初めて見たときは、
ぼくがまだ小学4年生のときだった。
東宝特撮映画の「ゴジラ」とか「モスラ」や大映特撮時代劇の
「大魔神」の映画で大喜びしていた年代だったので、「猿の惑星」の
ようなリアル感のあるSF映画を見る事自体が、初めての経験だった。
異様な世界を見たという印象が強かった。字幕の映画を見ること自体
があまりなかったので、ぼくの記憶の中にこの映画の内容は、今でも
とても強く残っている。
そして、今日、『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』を見た。
傑作である「猿の惑星」のシリーズに、恥じない、面白い映画だった。
映画をみている途中で、自由に、空間を飛び回る猿がうらやましくも
なった。大きな木に、どこまでもどこまでも、するする登って行く。
そのてっぺんから見る景色の美しくダイナミックな事。
「人間」対「猿」のような場面が多くあるのに、猿のほうに応援をしたく
なる。それだけ、憎たらしい人間が、この映画には多く出てきたせいか。
ほとんど、猿が画面にでずっぱりなので、人間の印象が薄い。
でも唯一、猿と愛情あふれる交流を持つ薬物研究者のウィル・ロッド
マンと恋人役の獣医キャロライン(フリーダ・ピント)、その獣医役の
女性・フリーダ・ピントがとても綺麗だった。
相手の顔を見つめるときの表情がとてもいい。
フリーダ・ピントは、2009年度アカデミー賞で作品賞を受賞した映画
『スラムドッグ$ミリオネア』でラティカー役を演じた。また、英国
アカデミー賞 助演女優賞にノミネートされた。
ところで、1968年に作成された「猿の惑星」の猿とは、日本人をイ
メージして描いたものだという事をネットで読んだ。これはあまり嬉し
いたとえではない。かんべんしてもらいたいところだ。
しかし、町山智浩の書いた『<映画の見方>がわかる本』にも、
猿の惑星の事が詳しく出ていて、再読したら、同じことが書かれて
あった。
1963年にフランス人の作家ピエール・プールは小説「猿の惑星」
を発表した。
フランス人の宇宙飛行士ミルーが未知の惑星に不時着する。そこでは
猿が高層ビルに住み、車や飛行機を乗り回しており、人間は退化して
猿の家畜になっていた。
猿たちにさんざん虐待されたミルーは、やっとのことで地球に逃亡す
るが、そこもすでに猿の惑星になっていた・・・・・・。
ピエール・プールはビルマでプランテーション(大規模農園)を経営
していたが、第一次世界大戦で日本軍がビルマを占領すると、捕虜と
して強制労働キャンプに送られ、日本人から家畜以下の扱いを受けた。
プールがその体験を描いた小説「戦場にかける橋」は1957年に
映画化され、アカデミー賞を受賞している。
「猿の惑星」も、農園でアジア人を使っていたプルーが日本人にコキ
使われたという「立場の逆転」経験を元にしているといわれる。
なぜなら、西欧では昔からアジア人を「猿」と読んで蔑んできたから
だ(プールはほかにも、人類最初に月に到着した日本人がハラキリを
するSF小説を書いている)。
【『<映画の見方>がわかる本』
第3章 『猿の惑星』猿が猿を殺すまで より】
なんてゆう情報を読むと、単純に「猿の惑星は面白いねぇ」と、
無条件に喜んでばかりもいられないような気がするが・・・・・・。
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