仙台市の常盤木学園高校教諭の松本秀夫さん=当時(56)が、殺害された
事件。
不審な点が多く、週刊誌も取り上げた事件だった。
犯人は、捕まってみればもっとも身近な人物で、松本秀夫さんの妻の松本美代
(44)であった。
一家を知る近隣住民は、
「美代被告は高校時代、周囲が止めにはいるほど教師の松本さんを追いか
け回した末、卒業後にめでたく結ばれた。近所でも先生と生徒の夫婦として
有名でした。
1男2女をもうけましたが、数年前から『いつまでも生徒と先生の関係が変わら
ない』などと、主従関係を強いられる夫婦関係に強い不満を口にしていました」
と話す。
美代被告は約1年前から弁護士に離婚を相談し調停を申し立てたが、松本さん
の反対で成立しなかった。
松本秀夫さんは知人に「酒を飲んで終電を逃し、妻に車で迎えに来てくれる
ように頼んだが冷たく断られた」「子供が独立したら離婚するしかないかもし
れない」
と漏らし、離婚は覚悟していたようだ。ただ、次女は4月に大学に入学した
ばかり。美代被告は、あと数年間このままの暮らしが続くことが耐えられな
かったのかもしれない。
美代被告は、松本さんの知人で交際相手とされる松山哲士(38)と、梅原啓
(27)の両容疑者を巻き込み、入念に殺害計画を練った。松山哲士は美代被告
について、「なかなか離婚できないことに不満を持っていた」と供述していると
される。
昨年4月、仙台市泉区の自宅駐車場で金属バットで殴って殺害。同年6月、
死亡保険金を詐取しようとした。
仙台地裁の裁判員裁判判決で懲役11年を言い渡された、美代被告(45)に
ついて、仙台地検は10月11日、「裁判員裁判の結果を尊重したい」とし、控訴
しない方針を明らかにした。
また、弁護側も控訴しない意向で、控訴期限の12日午前0時に確定する。
松本秀夫さんは2010年3月、帰宅途中に頭の骨や前歯を折る重傷を負い
入院。これは、梅原啓が「松山哲士に指示され、帰宅途中の公園で木製バット
で数回殴った」
と認めた。
4月30日に松本さんが退院すると、美代被告は松山容疑者に携帯電話の
メールで退院日を連絡。松山容疑者に「夜の方が殺害しやすい。(松本さん
の)帰宅時間を遅くしてほしい」と促され、彼女は午後6時に夫の歯科の予約
を入れてもいる。
松本さんは、歯科の予約を病み上がりの自分を気遣った妻の優しさと感じた
のかもしれない。
そうであったならば、結果的にむなしく何かもの哀しいものだ。
治療を終え、すっかり暗くなったところで帰宅した直後、松山哲士の指示で
待ち伏せていたすし店経営、梅原啓に襲われたとみられる
参照:仙台高校教諭殺害 仮面家族の果てに…年下男を黒く染めた妻の愛憎