◎ 世界侵略:ロサンゼルス決戦
監督: ジョナサン・リーベスマン 2011/アメリカ 116分
出演: アーロン・エッカート,ブリジット・モイナハン,ミシェル・ロドリゲス
世界侵略:ロサンゼルス決戦を見た。この映画は期待はずれだった。
けっこう評価している人もいるのが、不思議なくらいの出来だ。
舞台はタイトル通りでロサンゼルス。地球を侵略してきたエイリアンに
立ち向かう舞台員の死闘を描いたSFアクション。これはほとんど
エイリアン対軍隊の戦争映画となっている。
最初の敵がみえない状況での戦いは良かった。いきなり攻撃の弾や
爆弾が飛んできて、わけのわからない中で戦う海兵隊が生死をさまよ
う。どんな敵なのか?という想像力を働かせてくれる。
でも、実際のエイリアンの姿が分かってくると同時に、気持ちも冷め始
める。エイリアンの姿は何か画一的で面白さにかける。
どれもこれもが、何も独自の意志をもたない。単なるテレビゲームの
戦闘ロボットと、戦っているかのよう。
せめて、エイリアンを一人つかまえて、欠点を探す解剖の画面では
頑張ってほしかった。ところが、この場面も実に平板で、当たり前のよう
に、あまり必然性もなしに、いきなり弱点をみつけてしまう。
リドリー・スコット監督の「エイリアン」の時にも、エイリアンに噛まれた
人間を手術台の上に載せて確か解剖してみるシーンがあったと思う。
何が起こるかわからない緊張感が実にうまく出ていた。そのはらはら
ドキドキさせる演出を見習ってほしいものだ。
こうしていると、改めて映画「第9地区」の面白さも想いだされてくる。
あの映画には、エイリアンの中でもオバカなグループと、頭のいいグ
ループがあり、さらには独特な気持ち悪さを感じさせたエイリアンがいた。
つまり、敵が様々な個性に満ちていて、活きいきと描かれていたのだ。
この映画、昔、部下を戦争で殺してしまったことのあるリーダーの苦悩
に関しては、比較的丁寧に描かれていた。それだけに、エイリアンの雑
な扱いが残念だ。
同監督(ジョナサン・リーベスマン)の作品