島田紳助の最後のマスコミに対する会見では、暴力団との付き合いに
関して口をにごして終わった。その為、あとから出てきたいろんな事実が、
知らんふりをきめこんだ紳助のマイナス点として次々とあぶり出された。
たけしの場合は逆だ。今週号の週刊文春では、『ビートたけし「暴力団と
の交際」すべて語った』という記事が出た。これは、タイトルに偽りなく、こ
こまで語って大丈夫か?と、こちらが心配になるほどのあからさまな告白。
たとえば、暴力団に連れ去られたエピソードも生々しい。熊本連合の大島
直次郎氏の娘が『何でもできるんだったら、たけしと会いたい』とねだった。
それがきっかけで、漫才大会で熊本に立ち寄ったとき事件は起きた。
「マネージャーと一緒にいたら、いきなりベンツが三台現れたんだ。それで
首根っこ掴まれて、そのまま車に押し込まれたの。何がヒドいって、見ている
人間が何人もいるのに、誰も警察に連絡しねぇんだよ。
ヤクザが自衛隊の持っているようなトランシーバーで、『今、たけしを乗せ
ました』とかやって、山の上まで連れて行かれたんだ。当時、ヤクザのネタも
やってたし、殺されると思ったよ。
そしたら、料亭みたいなところに着いて、『待ってた、待ってた。何を言っ
てもきてくれねえからよ。娘に会わせたくてさ』と拍手で迎えられたの。が
その娘にあげるため、真冬なのにセーター脱げって言われたりしたよ。まあ、
今では笑い話になってるけどね」
この文春の記事を読んで思うのは、いかに芸能人が暴力団と接点を持つ機会
が多いかということだ。
ビートたけしが1974年のデビューから漫才ブームの『ツービート』時代に
関してこう述べている。
「若い頃、漫才大会に行けば、興行師は間違いなくヤクザなんだよね。オイラ
たちは商品だから、そんな酷いことはされないんだけど、客にウケないと
脅かされるし、『お前らはつまらないのに、金取るのか、この野郎』って
所属事務所はそういうことを承知で仕事させるし、断れない」
暴力団の誘いに関しては、しっかりとした拒否をする覚悟がいるとは思うが、
それを完全にできる人はなかなかいないのではなかろうか?
いかにも接点を持ったことが悪いというような事を書いている人の文章を
読むと、それでは
『実際に紳助やたけしとおなじような立場になって、暴力団の暴力的圧迫を
ちらつかせた上での誘いにいつも毅然とした態度で正しい態度を取れるのだ
ろうか?この人(ライター)は?』と、正直思ってしまう。
参照:たけし「暴力団との関係全告白」 紳助と違い、これはセーフなのか
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