島田紳助の引退に関して、女子社員と話をしていた。週刊誌に山口組の幹部で
極心連合会会長が関わっていたことを伝えた。
それを聞いていた女子社員は、その内容に興味を示すも、このように言った。
「あんまり、このことに関して話したら、ヤクザに殺されてしまうかもしれ
ないので、やめときましょう」


週刊誌に出ていたことを話していただけで、殺されてしまうことはないだろう。
この発言には、ぼくを含め聞いていたみんなも笑ってしまった。
彼女は何かと物事をおおげさに考えるから、面白い。


但し、ぼくはあまりこの引退に関して大きなニュースだとは考えていなかった
のだが、事はやはり単純なことではないようだ。海外でもニュースになって
いるようだし・・・・・・。

以下はフライデーに掲載された紳助のニュースを元に書いていきたい。
時期的に週刊文春に掲載された後になるせいもあり、さらに詳しい情報が掲載
されている。


● 5~6年前のメールがなぜ今
8月23日の夜10時に、吉本興業東京本部で行われた島田紳助の涙ながらの芸能界
引退。その事に関してスポーツ紙記者はこう語る。


「引退の理由は、平成17年6月頃から平成19年6月頃までの2年間に、
知人Aを通して暴力団関係者Bと親密なメールのやりとりを行っていたこと。

「経済的な利害関係はなかった」と本人は主張していましたが、紳助の社会的
な影響力は大きく、吉本側も厳しい態度で臨まざるを得ない。

8月20~21日に放映された「24時間テレビ」終了後、事務所幹部が本人に
事実確認をし、その場で引退が決まったようです。」


5~6年前のメールがなぜ今、取り沙汰されるのか?島田本人が言っていたよ
うに、なぜ「この程度のこと」で引退せねばならなないのか。

本誌(フライデー)の独自取材で浮かび上がったのは「10数年で5回会った」
どころではない。暴力団とのズブズブな関係であった。


このAさんとは、誰のことなのかを週刊文春9月1日号で明らかにしている。
会見で紳助が20代前半の頃から付き合いがあるAとは、元ボクシング世界
王者の渡辺二郎被告(56)のこと。

渡辺は、2000年に、殺人事件に使用された自動小銃の譲渡で銃刀法違反の実刑
判決を受けた。現在は恐喝未遂で実刑判決を受け、上告中だという。


「渡辺は大阪府警が「極心連合会相談役」と認定している準構成員。極心は
山口組の2次団体でトップの橋本弘文会長は若頭補佐の要職にあります。
紳助はそんな渡辺の裁判('00年)に情状証人として出廷しているんです」
(吉本興業関係者)


この話からも明らかのように、二人の関係は今に始まったものではない。
それがなぜ、今頃、取り沙汰されるのか。
こんな話もあるという。
「渡辺とのメールの件をネタにゆすろうとしたヤクザ者がいて、吉本が府警
に相談したと聞いています」
(府警担当記者)


メールに関しては、芸能プロ幹部がこのように推測する。
「メールのやりとりぐらいで、レギュラー番組6本持つドル箱の紳助を切る
ワケがない。私はこう聞いています。吉本つぶしを画作する人物が別の決定的
なネタで強請っているようだ、と。


会見で言っていた、十数年前に右翼とのトラブルを解消させた「B」は極心
連合の橋本会長のことですが、紳助が別のトラブルの火消しを極心連合の橋本
会長に頼んだ際の決定的証拠を突きつけたのではないか。

彼のケツモチが橋本会長であることは周知の事実ですから。少なくとも番組の
収録中止を私たちに伝えてきたテレビ局幹部は噂されていた。警察の捜査ウン
ヌンは口にしていませんでした」


● 紳助所有のビルに、あそこは極心が・・・
捜査関係者が紳助に注目するのは、これまでに何度も「カネと暴力」にまつ
わる事件を起こしてきたことが大きいだろう。


ということで、フライデーでは3つの事件を掲げている。
2004年の吉本興業の女性マネージャーを殴打した事件。
大阪の朝日放送内で、女性マネージャーの言葉遣いや態度に激高。控室に
連れて行き殴打し、障害容疑で書類送検された。事件直後、「歪んだ正義感
だった、100%僕が悪い」と、謝罪会見で述べ、2ヶ月間の謹慎。


2007年、パチンコ攻略法などの情報提供会社「梁山泊」グループの実質経営者
ら7人は証券取引法違反(相場操縦)容疑で逮捕された。その際、7人の仲間
であるS氏の取引履歴と紳助の約定(取引成立)がほぼ同時刻だったのだ。
紳助自身は「株はすべて自らの判断で売買をしている」と、S氏や梁山泊との
かかわりを否定。


2009年に行われた「オールスター感謝祭」で番組開始前に自身への挨拶がな
かったことや、番組中の態度に腹を立てた紳助が後輩芸人「東京03」を放送中
に恫喝した。


こんな話もある。
「紳助が不動産の売買、とくに競売物件の購入や転売で財を成し、数十億円
の資産を作ったことはよく知られています。
真偽のほどは定かではないが、大阪・南にあった紳助所有のビルについて、
「あそこは極心がケツを持っているから手を出す組はない」という声は実際
にあがっています」(吉本関係者)


● 売れているうちに、自分から辞めてやろう
まあ、いずれにしろ、紳助と暴力団との関係は、まだ表面にでてきていない
いくつかの事件はありそうだ。

ところで、紳助は島田紳助・松本人志の共著「哲学」という本で、自身の引退
についてはこのように語っていた。


いつかはこの世界去らなきゃいけない。そのとき、どう去るかが僕の中で問題
になってきているのだ。侍がどう死ぬかを考え抜くのと同じように。


上岡龍太郎さんが、突然プロゴルファーになるためにタレント業を引退する
と言った。その気持ちが僕にはよくわかる。売れているうちに、自分から
辞めてやろうというわけだ。


「知ってるか、紳助さんの話。こないだ辞めよったけど、今や家賃収入だけ
で一億五千万円もあるらしいで。なんやテレビにさんざん出て、生き様だと
か夢だとか、なんやカッコええ熱いこと語っておきながら、気ぃついたら辞め
てからに。アホらしいて、そらやってられへんで。何もせんと、左うちわで
毎年一億五千万円も入ってくるんやから」


そういうふうに、僕の悪口をテレビでいってくれたら、僕はずいぶん助かる。
「紳助は駄目になったんじゃない。ずるく辞めたんだ」って。辞めたあとは
そういうふうにいってもらえるようになりたいと思う。
「哲学」(笑いの哲学 ◎島田紳助 より抜粋)


このように、辞めた場合の自分なりの覚悟は、島田紳助の人生設計図において
できていたように思える。
でも、その辞める事に関して暴力団との関係が取りざたにされるとは、予想外
だったと思える。何も隠しだてのない状態で、正直な現在の島田紳助の心境
を聞いてみたいものだ。


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