1950年に作成された「イヴの総て」をみた。
実在の女優エリザベス・バーグナーをモデルとした、メアリー・オルの
短編小説『The Wisdom of Eve』を原作としている。
アカデミー賞では6部門で受賞している。


雨が降る劇場の前で女性が一人しおらしく、たたずんでいる。
彼女はイヴといい、8か月前に田舎からニューヨークへ出てきた。

舞台女優マーゴのファンで一目会いたいために、そこに居るという。

かわいそうに思い、劇作家の妻がマーゴに合わせてあげる。マーゴは
彼女を気にいり、自分の身の回りのお世話をさせる。
それは、なによりも彼女が語る身の上話しが悲しげだったからだ。


しかし、マーゴの住み込み秘書となったイヴは、劇作家や有名批評家に
巧く取り入り始める。ついには、あこがれの女優を追い越すまでの
有名舞台女優となる。
物語はその彼女の変貌を追ってくれる。


マーゴは、初めは可哀そうで引き取ったものの、周りの人間が次々と
イヴの方に興味をもっていくので、面白くない。
イヴの若さに対して自分が年をとっている事に関しても、あせりを感じる。
そのいらだちと嫉妬のもつ滑稽さと哀しさを表現していた。


舞台女優マーゴのなげやりで刺を含んだ周りにまき散らす言葉は、ときに
おかしくて思わず笑ってしまった。


会話の面白さと、人間の裏と表の駆け引きの怖さ、それをこの映画では
充分に堪能できる。
モノクロ映画では、「情事」に負けず劣らずの印象深い1本となった。


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