ナタリー・ポートマンがオスカーを獲得した映画「ブラック・スワン」を
会社帰りに観た。
これは、とんでもなく完成度の高い映画だ。これだけ深みのある
怖くて痛い映画は本当にひさびさ。
指の爪が割れたり、自分でつけた背中の傷から血が出たりと、
細かな痛さがいやになるくらい伝わってくる。
そして、綺麗に鍛え抜かれた細身の体で、バレーを踊りながらもた
えず聞こえてくる主人公の息遣いがせつない。
ナタリー・ポートマンは、撮影の10か月前からバレエの猛特訓を受け、
バレリーナ特有のしなやかな肉体と優雅な身のこなしを手に入れた
という。
母親もよくあるキャラでありながらも、印象深く忘れられない。
バレリーナの娘を、自分の手の中で大切に育てたいあまりに、優しい
ながらも、壊れた危なげな母親像をよく演じていた。
主人公だけではなく、脇役の人、チョイ役の人も良かった。
電車の中に出てくる舌をペチョペチョ出して、同時に自慰の動作をする
変態じっちゃんも、不快感をじんわり与えてくれていい味を出していた。
5月11日に公開された日本では、評判が評判を呼び、週末興行成績
では見事1位に輝くという好発進を記録したというが、まさしくうなずける
出来栄えだ。
この映画に関しては、再度、日を改めて書いてみたい。