週刊新潮の『「大震災」復興の群像』というタイトルの特集記事は、
その小見出しそれぞれが、1行のニュースのごとく独立していて興味
をひかれた。そのなかの3つの記事に関して書いています。
● 漁民に命を救われたイルカ漁調査「シー・シェパード」の恩と仇
反捕鯨団体「シー・シェパード」の(以下、SS)のメンバは地震
発生時、岩手県大槌町(おおつちちょう)にいた。イルカ漁調査の
ためである。
「最初、SSの連中は漁港にいて地震が起きて港付近の高台に避難。
それでも魚市場をビデオで撮影したり、双眼鏡で眺めていました」
津波が襲った後、彼らは、一時高台に取り残され、車中で一晩
過ごしたという。
「翌朝、消防団が高台に行くと、彼らが吹き出しをしている集落まで
付いてきたのです。最初、薪ストーブで暖を取っていたが、漁業
関係者などは、”奴らに食わせるものはない”と主張。
しかし、女性が”こんな大変な時だから……”と言い、おにぎりと
汁物を食べさせました」
(吹き出しをした看護婦)
SSは少しは感動したらしくHPには、「日本人は温かくて親切だ」
というぼくの考えは確かなものになった」と、綴っている。
呆れたことにさらに続けて、
「岩手でネズミイルカを蹂躙する者達の行動は常軌を逸していて、
決して習慣などではない。この殺戮を止めれば、日本は海洋生物
保護のリーダーになる」
挙げ句、代表・ワトソン氏はフェイスブックで<ツナミ>と題した
詩を公表。
地元記者の指摘。
「日本人はイルカ漁をやっているから、神が怒ったととれる
内容です。彼らの日本人に対する感謝は口先だけということです」
※
しかし、どうしようもないなぁ。この反捕鯨団体「シー・シェパード」
のオバカ団体は。
「誰かどうにかしてくれ!」と、言いたいところ。
この腹ただしいニュースはもっと、知られてもいいとぼくは思う。
●「握り飯飽きた」「酒持ってこい」怒声も飛ぶ避難所トラブル
各地の避難所などでは31万人あまりが過酷な生活を強いられて
いる。ということで、その実態は?
「水がないのでトイレが流せず、使ったペーパーが段ボール箱に
山のように積み上げられています」(岩手県山田町の避難所)
「ここでは毎日、朝晩の2回、オニギリが配られています。でも、
やはりイライラが募ってたまりかねたのか、”もう握り飯は飽きた!”
と叫び出す人もいます」(釜石市内の別の避難所)
「最初は2、3人が避難しているだけでしたが、400人の避難所
になっていた小学校が余震で危険になったので、ここの住職が善意で
受け入れてくれまして」
と、避難民が顔をしかめる
「境内に簡易トイレが設けられているんですが、なぜか寺の横にある
住職の自宅裏庭で大便をする人が頻発したんです。確かに断水状態で
すから簡易トイレも綺麗じゃないですが、なぜお世話になってる住職
にそんな嫌がらせのようなことをするのか・・・・・・」
今まであたりまえのように生活していた、もろもろの事が制限された
り、できなくなったりすることのストレスは、相当大きいと思える。
特に避難所生活のトラブルはあまりニュースになっていないが、か
なり発生しているのではないかと、予想される。
● さすがに耳にタコという「AC]CMで誰が得をしたか
「どんなに、人間の本質的な事で大切な事を語っていたとしても、
繰り返し聞かされると、それは何の効果もなくなる。」
と、いうことをイヤになるほど知らせてくれた、とてもしつこくうる
さい「AC」のCM。
本当に余りに度が過ぎた。
同法人が国の管理下にないにもかかわらず「そんなCMを流すのに
税金を使うなら、少しでも被災地に回せ」という勘違いの抗議や、
中には「今から刃物を持って押しかけるぞ」という脅迫電話もかかっ
てくるという。
でも、その気持ちがよくわかってしまうほどに、このACのCMは
垂れ流し状態だ。
ぼくは、この「AC」のCMが嫌で、今ではこのCMが流れた瞬間に
チャンネルを変える。しかし、その変えたチャンネルがまた同じ
「AC」のCMをやっているから、つくづく嫌になる。
NHKオンリーにするという手もあるけどNHKの番組は、一時代前の
テレビを見ているような独特な古臭さが鼻についてくる。
番組の途中でACのCMが出たら、自動的にチャンネルを変えてくれ
て、ACのCMが終わったらまた元のチャンネルに戻るテレビが欲し
いと思ったくらいだ。
と、いうことで、このCMで誰が得をしたという結論なのか。
「図らずも知名度アップを果たしたACもさることながら、出演者は
大いに得をしました。
例えば『日本対がん協会』支援CMの仁科亜希子・仁美の親子など、
一躍”震災の顔”のようになった。今後、防災関連のイベントや講演
など、仕事が増えるのではないでしょうか」(スポーツ紙デスク)
と、週刊新潮に書かれているが、事はそんなに単純なものではない。
子宮頸がんや乳がん検診の必要性を訴えている女優の仁科仁美が、
『ブログで苦しい胸の内を明かしている』と、いうことニュースに
なっていた。
ブログでは、仁科亜季子、仁科仁美の連名でメッセージを掲載。
「今、私達母娘のCMが沢山放送されています。この状況は私達
母娘も想像もしていませんでした。それと同時にどうする事も出来な
いのが現状です。長年に渡り子宮けい癌の啓発活動に力を注いできた
私達は今とても悩んでいますし、心が痛みます」と苦しい胸の内を
明かしている。
そして「私達は、少しでも力なりたくて、思いを込めやらせていただ
いたお仕事です。ですが、今回の災害の状況、日に日に大きくなる
被害や被災された方々の事を思うととても複雑な心境です」と綴る。