20世紀名言集(大犯罪者篇)
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殺人者の自分をまるで正当化しているような言葉というのは、こちらに
不思議な響きを持ち、聞こえてくる。
それは、理解不可能な言葉にも思えるし、殺人とは、無縁であろうと思っ
ている自分の人生に、何か浸食してくるかのような不気味さをもつこと
もある。


「20世紀名言集 大犯罪者篇」という本から、犯罪者の言葉を拾って
いきたい。


○ 俺はずっと昔に自分を世間一般の尺度で測るのをやめてしまって
  いた。
                     チャールズ・マンソン

チャールズ・マンソンは1934年、米オハイオ州で売春婦を母に私生児
として生まれる。幼いころ、刑務所行きとなった母と生き別れ、自らも
12歳で少年行きとなる。以後、数々の犯罪を重ねる。


60年代に入ると、マンソンは、ドロップアウトした男女を仲間に引き
入れ、クスリとセックスの力を利用しながら固い結束で結ばれた
”ファミリー”を組織。


彼の煽動によって、女優のシャロン・テートをはじめとする多くの有名人、
富裕層の自宅が襲われ、いまもハリウッド最大の惨事といわれる大量殺戮
が行われた。
当時妊娠8カ月だったテートは、ロープで宙づりにされたうえに全身を
16箇所刺され絶命した。


カリフォルニア州の最高裁判所にて、1972年にマンソンに対する死刑が
決定したが、死刑制度が一時的に廃止されたことで、マンソンは自動的に
終身刑に減刑された。

カリフォルニア州では、最高刑として死刑が復興したが、コーコラン刑務所
に服役中のマンソンには何ら影響を及ぼすことはなかった。



○ バラバラになった彼らこそが、本当の仲間のように感じられた
                  ジェフリー・ダーマー


ジェフリー・ダーマーは1960年、米ウィスコンシン州生まれ。1978年に
最初の殺人を犯して以来、被害者は全て男性。
ゲイバーやクラブで誘った若者を薬で眠らせ、そのあとレイプして拷問しな
がら殺す快楽殺人者で、死体は解体したあとに食用にしていた。


その後の自供や押収されたビデオから明らかとなった15件の殺人事件にお
いても、そのほとんどは肛門を屍姦後に内臓を切り裂き、遺体をバラバラに
している。

彼のこうした性的傾向は子供時代にすでにその傾向が認められる。
当時の同級生の証言によると、小動物を捕まえて、ホルマリン漬けにしたり
首を切り取ったりするのがもっぱらの楽しみだったそうだ。


彼は終身刑となるも、1994年に刑務所内のトイレでほかの囚人に殴り殺される。


以下は、言葉だけを並べていきます。



○ 殺人は息をするのと同じことだった
                  ヘンリー・リー・ルーカス

○ いま実現しなければ、あとで後悔するという、その後悔がおそろしかった
                  佐川一政


○ 捕まったということは、事業に失敗したのと同じことだと思います。
                  小林カウ


○ 俺は、夜、彼女たちを殺したことはない。
  死んでゆくところを、昼の光で見ていたいからだ。
                  ペドロ・ロペス


○ 僕はまるで麻薬中毒に陥ったようなものでした。
  ただし、毒を飲むのは僕ではありまあせんでした。
                  グレアム・ヤング


この本は、こんなふうに世界各地の殺人者の、やけに印象的な言葉を紹介して
いく。
2ページ毎に、一人づつ殺人者の紹介と言葉をまとめている。

ぼくが思うに、作者が気になった殺人者に関しては、ページ数を増やしてもよ
かったのではないか?
紹介がパターン化すると、無機質な感じが強くなり、まるでこの本が殺人者の
辞典のような気がしてくるからだ。


それにしても殺人者の言葉や生涯というのは、なぜにこんなにも気になるので
あろうか。