団鬼六という怖そうな名前の作家がいる。
その作家のお父さんは変わっている。「人生すべて勝負事だ」を
信条にしていて、博打嫌いで本ばかり読んでいた息子の前途を心配して、
博打の家庭教師をつけた。


団鬼六がわざと父を怒らせようと思えば、「俺は将来、平凡なサラリーマン
になる」という言葉をはけばいい。すると、父は激怒して
「お前は何時の間にそんな意気地のない男になったのか」と激怒するとの事。


その父親の教育の成果かどうかは知らないけれど、団鬼六の書く文章は
とても面白い。SM系のポルノ映画の原作者として有名だが、その方面では
なく、普通のエッセーがぼくはとても好きだ。


● オススメする官能小説
ところで、その団鬼六の小説を、15歳の時にグラビアアイドルとしてデビュー
し、今、覚せい剤がばれてまた騒がれている小向美奈子が好きだという。
小向がオススメする官能小説は、『最後の愛人』(団鬼六著・無双舎文庫)。

72才の老人が若い女性と愛人契約を結ぶ物語。「純粋な愛を望む男とそれが
理解できない女。人間の生々しい感情に胸が熱くなります」。


むぅびぃ・とりっぷ-小向美奈子

さらに小向は、品行方正な美しい女性が鬼畜に調教されていく『花と蛇』
(団鬼六著・幻冬舎アウトロー文庫/1巻は680円)もお気に入りとして挙げ
ている。

「女性の持つ潜在的なエロスが滲み出てくる展開に圧倒される。主人公の静子
と重ねながら読破しました」。


花と蛇は、今までにいろいろな女優がいれかわりたちかわり、演じてきている。
現に彼女も、映画『花と蛇3』の主演を務めている。その映画出演によって、
団鬼六の小説にめざめたのであろうか?
あるいは、単なる宣伝の意図で、団鬼六の名を出したのか?もしそうだとし
たら、それは哀しいことだが…。


● スライム乳とは?
『花と蛇』という映画には、谷ナオミを始めとして、杉本彩など胸が大きい
色っぽい女性が代々演じてきている。

小向美奈子もスライム乳(ちち)などという、まるで中東の国のようなユーモ
ラスなネーミングをおっぱいにつけられている。
彼女自身も胸の柔らかさから、自らスライム乳と呼んでいるとのこと。

たぶん、おもちゃとして使われているスライムから来たネーミングなのだろう。


では、スライムとは何かを、Wikipediaで調べてみた。
スライムは、そもそもは第二次世界大戦の時にゴムの産地を日本軍に占拠され、
ゴム不足となったアメリカで、人工的にゴムを作ろうとして生まれた物との事。


この「スライム」は小さいポリバケツに入った緑色の半固形の物体で、手に
べとつかない程度の適度な粘性と冷たく湿った触感がある。触って遊ぶためだ
けの玩具であったが、それまでにない新鮮な感覚をもたらしたため大ヒットし、
後に様々な類似商品も生まれたとの事。


● 早く自首してほしい
さて、ようやく覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕状が出ている件の話に入る。
小向美奈子は現在所在不明で、警視庁組織犯罪対策5課が行方を捜査している。

日大名誉教授(刑法)の板倉宏氏は、「今回は執行猶予中のことなので、有罪
となればまず実刑は間違いない。刑期も前回よりも長い2年~2年6月ぐらい
の判決がでるのではないか。

当然、現在の3年の執行猶予期間は取り消され、懲役1年6月も執行されるた
め合計で4年ぐらい身柄が拘束されることになるだろう。


もし今回の判決で量刑が懲役1年以下ならば、執行猶予がつく可能性も考えら
れるが、前回すでに懲役1年6月の刑を言い渡されているので、1年以下の
判決になるとは思えない。有罪になれば実刑は免れないだろう」と語っている。


小向の父親・勝雄さん(54)が、テレビに顔を出して、「現実にみんなに
ウソをついたと。早く自首してほしい」と心境を語った。
小向とは正月頃に電話で話をしたのが最後で、現在の居場所は知らないという。


娘が美人なのもわかる、なかなか渋めのかっこいいおとうさんだ。小向の尊敬
する人は父親であり、大人になってからも「一緒にお風呂に入ろう」と誘った
事があるという。


● 「浅草ロック座」に出演
週刊文春2月17日号の記事を元にして、以後、事件の内容を追っていきたい。
小向美奈子が覚醒剤騒ぎを起こすのはこれで2度目になる。

1度目は、2009年の初頭。覚せい剤取締法違反で逮捕され懲役1年6カ月、
執行猶予3年の有罪判決を言い渡された。小向は、覚せい剤使用については
「六本木のクラブで外国人の女性に誘われた。酔っぱらった勢いで使った。
仕事を解雇され、いろいろな負い目があった」と、語った。
判決後の会見で記者の質問に涙ながらにこう答えた。


「人生を変える最後のチャンスと思って、美奈子という人間をゼロから作り
直したい。
同世代の女の子のようにバイトをしたり、普通の生活をしたい」

その後の彼女は、同世代の女の子とおなじような生活には戻れなかったが、
順調に芸能界復帰を果たしていった。

有罪判決からわずか三カ月余りで、東京・浅草の老舗ストリップ劇場「浅草
ロック座」に出演し、ストリッパーとして衝撃的な芸能界復帰を果たした。
薬の件やストリッパーの体験などを踏まえた告白本、「いっぱい、ごめんネ。」
という告白本も出している。


直後にはテレビ復帰を果たし、昨年もストリップを収録したDVD発売に続き
「花と蛇3」が公開された。
芸能界活動が再び軌道に乗ったかのように思えた。


ストリップを収録したDVDは、アダルトソフト会社のソフトオンデマンド
が作成したNGEROUS STRIPPER【デンジャラス ストリッパー】というタイトル
だ。このDVDの内容は、期待したわりに、いまひとつ盛り上がりにかけて
いた。平均点はクリアしているのだろうけど、驚きに乏しいと思えた。


● イラン人の家に泊まる
さて、そんな小向の芸能活動の裏側で、警察の捜査網は周辺に迫りつつあった。
捜査関係者が匿名を条件に語る。
「都内のイラン人による大がかりな密売組織の捜査過程で、捜査対象になって
いた

イラン人密売人Tと小向が頻繁に接触を持っていることが明らかになったの
です。この男は、07年頃から品川区、港区周辺で覚せい剤を売りさばいてお
り、年間数千万円を売りあげていました」


Tは日本人の密売人を組織し、主に五反田駅や目黒駅、大崎駅で客と落ち合い、
周辺のホテルや路上などで薬物を販売していたが、小向はTがアジトで使って
いたアパートのひとつを頻繁に訪れていたという。


全国紙社会部記者が語る。
「小向は、イラン人の家に泊まることもあるほど親密だったようです。警察庁
クラブでは、去年の夏ごろから、『小向が覚せい剤で逮捕される』という情報が
数回流れましたが、けっきょく実現はしませんでした。警察は、組織撲滅
のほうに力を入れて「おり、小向に着目したのは、いわば偶然の産物だったよう
です。』


ところで、当の小向だが、今年に入り、家族や友人、事務所関係者との
一切の連絡を絶っている。警察の動きを察知して海外に出国した可能性がある
ことが9日、捜査関係者への取材で分かったという。

また、小向は激太りしたという噂もある。

「久しぶりに遭ったらすごく太くなっていたので、思わず『そのお腹はマズいん
じゃない?』と口にしてしまったんです。すると、『ヤバイよね。これじゃあ
脱いでも誰もみてくれないよね』とバツが悪そうにしていました。ロック座と
の間に何かトラブルがあったようで、『美奈子、もう見限られちゃったから、
舞台に立てないんだ』と落ち込んだ様子でした」


何かさみしさの漂う話だが、はたして彼女は今、本当に海外にいるのだろうか?
彼女の身は、大丈夫なのか?
と、妙に胸騒ぎがするような……。