ホストという職業は、男にとって気になる職業だ。
 
 いったい、どんないい思いをしているのか?
 または、どんなつらいめにあっているのか。
 ホストを求めてやってくるのはどんな女の人なのか?


 一条和樹の書いた「出張ホスト―僕は一晩45000円で女性に抱かれる」 という
本は、その疑問に丁寧に答えてくれる。

 一條は株にはまって作った、借金(1800万)の返済のため、出張ホストを
 やっている。昼はサラリーマンをやりながらの兼業だ。
 文章を読むとわかるのだが、彼は感覚が、水商売に染まっていない。
 実に平衡感覚のとれた描写で、冷静に自分と、客の出会いを描いている。

 一遍、一遍が短編小説をよんでいるかのような味わいがある。
 退屈な話しが一個もなかった。
 成田アキラのテレクラ漫画にも通じるかもしれない。

 19の実話が書かれている。そのうちの一つ。

 彼女はベッドに横になり、足を大きく広げる。
 「責めてよ」
 「責めてっていってるの。しらないわけじゃないでしょう」といってホスト、一條に迫る。
 一条が、彼女の中に入り、彼女は遠慮なく大きな声を出す。
 やがて、彼女も一條も果てる。

 彼女(お客)は
 「もう終わりなの?」
 「この前の人もそうだったわ」
 「ねえ、もう一回。できるでしょう」
 
 ソープに勤めている事を、言い大きく両足を開く。
 三回目のセックスを終えてからも、もう一回、もう一回といい
 ついに、五回目の射精を終えても擦り寄ってくる。
 
 「勃った、勃った。ねえ、しよう。ベッドに戻ってする?それとも、ここで」

 こうなると、SEXの拷問だ。
 こんな野獣のような、女のひともいれば

 「お話ししてるだけじゃ駄目ですか。わたし、このままじゃ、男の人を忘れちゃいそうで、
 誰でもいいから男の人と話したかったの。だから、あなたを呼んだの。」
 と言った、とても静かな印象の看護婦さんもいる。

 この看護婦さんは、一條の借金を一緒に返してあげるとまで言ってくれる。
 それに対する一條の答えは、つらい。彼女は小さな肩をふるわせて泣く。
 
 19の話しを全て読み終えたときに、最後の作者のこの言葉。
 
  みんな必死なんだ。寂しさで心まで凍ってしまわないように、一生懸命あがきながら
 生きているんだ。

 この言葉がものすごく、心にしみる。

出張ホスト―僕は一晩45000円で女性に抱かれる (幻冬舎アウトロー文庫)/一条 和樹
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