月刊誌「創」2月号の特集「出版社の徹底研究」を読んで、驚いた。
週刊現代が、とても売れているという。
週刊現代というと、最近はSEX特集がさかんで、週刊ポストも後を追って
いる。


SEX特集をやったから、必ず売れるということにはつながらないのだろう
けど、切り込み方がうまかったのだろうか?


週刊現代の09年下期の部数は32万5千で、10年上期の部数が36万
7千。約4万部、売上を伸ばしている。比率では、12.81%の伸びと
なっている。
(ちなみに、週刊現代は1995年には150万部を発行して幾度かの
 絶頂期を迎えた)


ぼくは、週刊誌は週刊文春や週刊新潮しか買わない。たまにフライデーを
買う。よっぽど気になる事件ものの記事でもあれば別だけれど、他を買い
たいとあまり思わないのだ。


ところで、09年下期と10年上期の部数で比較すると、週刊新潮が8.5
%のマイナス。週刊文春も9.1%のマイナスとなっている。
他の週刊誌も同様で、ほとんどがマイナスになっている。


その中での週刊現代の10%以上のプラスは、さすがに目を引く。
他には女性誌ではnon・noの23万から28万へと部数アップした
伸び率21.31%が目立っている。


non・noは月2回発行(毎月5日・20日発売)であったが、2010年
9月18日発売の11月号より月1回発行(月刊)となっている。


月刊誌「創」では「電子書籍に揺れた出版会の今後の行方」として、座談
会を3人(植田康夫・清田義昭・松田哲夫)で開いている。
その中で、週刊現代やnon・noに関して、このようにのべている。


植田 集英社も『non・no』を月刊にして、付録を付け、それなりに
    成功したらしいですね。
    一方、男性向けの週刊誌を見てみると、ひと頃、低迷していた
    『週刊ポスト』『週刊現代』ですが、中高年のセックス特集があたっ
    た『現代』が復活して、発行部数で60万部を超えたという。


清田 その路線で『現代』が成功したので、『ポスト』もそれに負けじと
    やっていますね。『文春』『新潮』は固定読者がいて、部数は、
    それほど増えもしないし減りもしない。それに対して一時期落ちて
    いた『ポスト』『現代』は中高年のセックスを取り上げて、復活して
    きたのかな?
   
    『週刊現代』の対前年比は30数%で、飛躍的に伸びているのは大き
    いですね。でも、ひと頃の週刊誌の部数からみれば、本当に低迷して
    います。


松田 広告がここにきて、円高などの影響もあって、また落ちているようで
    すね。
    文春がかなりの赤を出しましたが、極端に落ちた雑誌もなく、書籍も
    そこそこ売れていて、どこが悪いということではないのに、広告収入
    が半分に落ち込んだのが背景にはあるという。


    広告が入らなくなってから長く経ちますが、雑誌の3.3%減よりも、
    広告の減の方がボディブローのように効いてくるんですね。売上は
    あんまり期待しないで、広告で稼ぐというのが、景気のいい時代の
    出版社のパターンでしたからね。


清田 広告減の最大の理由には、インターネットの登場があるわけですが、
    この先、よほど景気が回復しない限り、もはや復活の余地はないので
    しょうか。


自分のことをふりかえってみれば、インターネットを使って、文章をずいぶ
ん読むようになったけれど、まるごと本一冊をディスプレイを使って読みた
いとは思わない。


週刊誌に限らず、出版会ではいろいろ模索してたいへんな時期なのだろうけ
ど、ぜひとも紙の媒体をなくさないでほしいと思う。

単純に雑誌で言えば、「週刊文春」と「週刊新潮」と月刊誌「創」には、
自分が生きている限り、続いてほしい雑誌だ。


最後に、講談社の出樋一親・第一編集局長が語る、週刊現代が伸びた

理由。


「『週刊現代』の読者はやはり政治好きなんです。それに答える工夫も凝ら
しています。たとえば2009年には政権交代がありましたが、開票日の
翌日発売のものを2日先送りし、総選挙の結果をきちんと入れるなどより
深い記事づくりを優先しました。これが、実売約80%という好結果を得て、
反転上昇の一つの弾みになりました。


2010年夏の民主党代表選挙の時も、発売日を通常の月曜からずらし、
記事を充実させました。63万部刷りで実売80%強の良い結果が出て、
もうひとつ弾みがつきました。お蔭さまで、夏冬の合併号では発行部数が
70万部を超えています」