初めて映画の試写会に参加した。
その最初の試写会で見た映画が「GAMER」。
渋谷の駅からすぐの場所で行っていた。
以前、「ホステル」という傑作ホラー映画を見た場所と同じ
だった。
そのときは2階だったと思う。今回は1階だった。
1階も2階もだいたい80人くらいで一杯になるくらいの
小劇場だ。
さて、その「GAMER」の話。
2034年、世界中の人々はある「ゲーム」に熱中していた。
脳細胞手術を受けた生身の人間が遠隔操作され、激しい
戦闘を繰り広げている。
そのゲームは、「スレイヤーズ」と名付けられたオンライン・
ゲームで実際に血が流れ、ほとんどの場合に死が待っ
ている。
そのゲームの作成者にテレビ局のキャスターが
「これは殺人では?」
と詰め寄ると、「キャラクターは全員死刑囚だ。30回勝て
ば、釈放される。彼らにチャンスを与えているのさ」と動じ
る様子もない。
このようなおおまかなあらすじを読むと、けっこう興味が
わいてくる。
でも、激しい戦闘の中で30回も勝てる不死身のような男
が、刑務所から釈放というのも考えると怖いものだ。
まあ、映画では、この主役は無実の罪で投獄されたとい
うシチュエーションだから、いいものの・・・・・・。
主演のケーブル役は「300<スルーハンドレッド>」の
ジュラルド・バトラー、
敵役には、ヒットシリーズのドラマ「デクスター~警察官は
殺人鬼」のマイケル・C・ホール。
この人気ゲームに警告する「ヒューマンズ」と名乗るハッキ
ンググループの女性メンバーに、サメが好きだった映画の
主役が出ている。
サム・ライミ監督の「スペル」で主演したアリソン・ローマンだ。
出ている役者もいいし、ストリーも興味深い。最初のオープ
ニングの戦闘シーンも迫力がある。
普通なら、これはとても面白い映画になるはずなのだ。
ところが、何か中途半端な印象がのこってしまう。
これがとても惜しい。
まずは、脳を操作されて、お互いに殺しあうことになるその
囚人の心の苦しみがあまり感じられない。映画の場面とし
ては確かにあるのだが、それがこちらに強くは伝わらない。
実際、自分がゲームに参加させられる立場になったら、
精神的苦痛は相当なものだと思う。
また、途中、途中でとても色っぽい映像やサイケな映像が
入るのだが、それらがコマーシャルのようにストーリーの
流れと別個のような印象になっている。
無実の罪で刑務所に入ったという主役・ケーブルのキャラ
に人間味を感じさせるシーンがほとんどない。だから、彼の
奥さんまでも、キャラクターとして、プレイヤーに色情狂の
ように操作されていることの不条理も、いまひとつ訴えて
くるものがない。
まさしく、ゲームかマンガのキャラクターをみたような感じが
強く残ってしまった。
せっかくの招待なので、いいところを見つけて書きたいとい
う想いもあるのだけど、やはり正直に書いてしまった。
でも、また同じことを書いてしまうが、出ている役者はいいし、
ストーリーも骨組みはしっかりしている。
サイケな映像が好きで、アクション映画大好きな人は、
ぼくと違ってこの映画にはまる人が出てくるのかもしれな
いけれど。