今年、見た映画の中で一番面白くなかったのが、今、話題の
ディカプリオが出る「インセプション」。点数をつけたら
20点。映画館を出たときはがっくり、気落ちがしていた。
渡辺謙の役づくりも、この手のアクションものは、何かワン
パターンに見える。
内容に、少しでも笑いがあればまだ救われるのだろうけど、
クスリとも笑えない。
さらにお色気もない。あるのは、よくわからない難解なストーリー
のみ。何度か居眠りをしてしまった。
夢の中に侵入する映画を見るつもりが、自分で夢をみていれば
世話がない。
映画館を出たときも、「最後におとうさんが出たのは何?」
「難しかったねぇ」
というような声が聞こえてきた。ぼくだけではなく、内容を
つかめなかった人が大勢いたように思える。
こんなSFよりは、第67回ゴールデングローブ賞を受賞した
「第九地区」の方が数倍、わかりやすく、内容も深く面白かった。
「インセプション」はこんなに期待させといて、こんだけつまら
なかったら、さぞやみんなもブーブー言ってるかと思いきや、
そんなに批評家は悪く言っていない。
ネットでの一般の映画評でも、ボロクソに言っているのはほとん
どない。
ぼくは、自分に一番合わない映画に、正面衝突してしまったと
思って、諦めるしかないのか?
一つだけ思い当たることがある。
評判の「マトリックス」を見たときも、つまらなさにガックリき
たものだ。ようするに、マトリックスがOKな人はこの映画も
OKなのかもしれない。
シネマレビューの記事は、こんな書き出しで、マトリックスと
インセプションを比較する。
ぶっちゃけ「マトリックス」のラインですよね。と、監督の
クリストファー・ノーランに直接訊いたら、おそらく
「単純に言うなよ、全然違うよ!」と答えそうな作品。
「インセプション」の作風を超簡単にまとめるなら、だいたい
そんな感じである。
そして、こう結論づける。
そして同じ夢の階層を共有してメンバーや敵が入り乱れる様子は、
オンラインゲームに同時参加するプレイヤーたちのように見える。
結局、やってることは「電脳」と同じじゃん!
う~ん……。やっぱり「マトリックス」と「インセプション」、
いろいろと似てしまっていると思う次第である。(文:森直人)
ここでひとつ、ぼくは悟った。
これからは、マトリックス系や、インセプション系作風の匂いが
する映画には近づかないでおこう。
自分にまったく合わない映画というものはあるものだ。
参照:「インセプション」が「マトリックス」と違う点、そしてやっぱり似ている点