ぼくがビートたけしに一番最初に驚いたのは、彼の漫才よりも彼の
本だった。
彼の初めての書き下ろし自伝エッセイで、本のタイトルは「たけし!
―オレの毒ガス半生記」。
一番の売れっ子になっていたときに書いていた内容が「自分なんか
あと数年たったら忘れられてしまうだろう。ファンなんていったって
しょせん、そんなものである」
という、クールに自分自身や芸能界を『観察、分析しているその視線』
だった。
それから23年経って、忘れられるどころか、映画等の活躍により
『世界の北野たけし]』になった。
今回、さらにまたフランスから評価されている。しかし・・・
『たけしがフランスから芸術の賞をもらった。』とは言われても、
実はぼくにはなんだかよくわからない。
確かに、才能は並外れていることは確かなのだろうけど、北野武監督
(63)の映画ははたして、どこがそんなにいいのか?
「座等市」だけは、本当に見事としかいえない出来だったとは思うの
だが、他の作品に関しては、どれもこれも似たよったりの中途半端の
出来にしか思えないのだが・・・。
● 人間国宝になったら
たけしがもらったのは、「仏芸術文化勲章のコマンドール」コマン
ドールの受章は日本の映画監督やコメディアンとして初の快挙との事。
たけしは「パリが文化の中心地だということは子供心に思っていた
が、まさかここで大臣に表彰を受けることになるとは、本当に夢の
ようです」と喜びを語った。パリでは今月から、たけしの全作品
上映会が開かれる。
たけしは13日、パリから帰国し、成田空港で会見した。授与された
同章を披露しながら、喜びを語った。
「バンクーバー」とサインペンで手書きしたニセ金メダルを見せて
フェイントをかけた後、同章を披露。
「今度は日本の文化勲章と人間国宝を目指したい。人間国宝になっ
たら無銭飲食でつかまるのが夢なんで。あ、紫綬褒章はいらない
ですから」と言いたい放題で、サービス精神ある芸人ぶりで報道陣
を笑わせたとの事。
一方、「バカバカしいことやってることが知られても、フランス人
が、いろんな才能として分けて考えてくれたのが、ありがたい」
「夜のパーティーのとき、カルティエの職人から、いきなり
(自分の一発芸の)“コマネチ!”をやられて驚いた」と明かし、
爆笑を誘った。
● 無口な殺し屋
ところで、フランスが北野武の映画を好きなのはなぜかという分析
をZAKZAKで記事にしている。
日刊紙「20ミニッツ」の映画記者ステファン・ルブラン氏は、
「タケシの魅力はメランコリーや失望感の中にあるポエジー。そこ
に彼特有のユーモアがある。タケシ映画の登場人物は、無口で
バスター・キートンを彷彿させる」と分析する。
その典型が、フランス人が高く評価する北野作品「ソナチネ」に
登場する“無口な殺し屋”とフランスの映画評論家は口を揃える。
先月26日に亡くなった「チャンバラトリオ」の南方英二さんが
演じたキャラクターとの事。
「北野映画にはメルヴィルが描いたようなフィルム・ノワールの
雰囲気があり、フランス人には親しみやすい」と映画記者は続けた。
さらに、ベテラン映画評論家は「北野映画は、それこそ殺し屋の
表情が“らしくない”のが特徴で、その点ではまさにキートン風」
などと、説明している。
が、そんな説明をされてもぼくにはやはりさっぱりわからない。
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参照:黒澤、スピルバーグを超えた!?たけしが仏で好かれるワケ
ZAKZAK
北野武監督「人間国宝になって無銭飲食したい」
仏文化勲章受章 爆笑帰国会見 CHUNICHI Web