最優秀女優賞に寺島しのぶが選ばれたという第60回ベルリン映画祭。
そのニュースを昨日ネットで知った。
主演した映画は若松孝二監督の「キャタピラー」。日本としては35年ぶり
の女優賞というから、まさに快挙と言えるだろう。
映画「キャタピラー」は、江戸川乱歩の短編小説「芋虫」が原作。僕がこの
乱歩の短編を読んだのは中学生の時。その残酷性と異様な性的世界に
衝撃を受けたものだ。しばらく、乱歩の大人向けの読物に夢中になった。
映画のストーリーは、五体の機能をほぼ失った軍人の夫と、その夫を
献身的に世話をやく一方で虐待する妻の姿を描く。夫の苦しむ姿を見るこ
とに至上の喜びを感じる妻に扮したのが、寺島しのぶ。
この映画は、ぜひ観たいものだ。
ところで、この寺島しのぶのニュースを聞く前にちょうど、彼女が出演して
いた別の映画を池袋の名画座で観ていた。
映画のタイトルは「赤目四十八瀧心中未遂」で監督は荒戸源次郎。
原作は、この映画の同タイトルの小説で直木賞を取っている車谷長吉。
僕は最近、車谷長吉の小説が好きで今年に入って彼の小説ばかり読ん
でいる。現在、本棚に7冊ある。
その中でも特に「赤目四十八瀧心中未遂」がお気に入り。だから、小説
が良すぎて映画にはちょっと入り込めなかった。
自分が小説を読んだときの、主人公が心中してもいいとまで思う女性
の「綾」と寺島しのぶがイメージが重ならなかった。重要な役(彫眉)に
内田裕也もまるで合わない。内田裕也はダイコンなのでこうゆう役をや
らしては、映画がしぼむ。
但し、寺島しのぶは、この映画で2004年の日本アカデミー賞・最優秀
主演女優賞をとってはいるのだが・・・。
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