イングロリアス・バスターズ  英題 INGLOURIOUS BASTERDS


2009年/アメリカ/152分
監督 クエンティン・タランティーノ
出演 ブラッド・ピット メラニー・ロラン クリストフ・ヴァルツ 
    ダニエル・ブリュール

映画の日に、何も観に行かないのはもったいないことだと思い、
イングロリアス・バスターズを見た。
正直、あまり期待はしていなかった。

何度かこの映画の予告編は、他の映画を見に行ったときに目にし
ていた。ブラットピットが出るナチスの時代の映画だということは
知っていた。


でも、何やらコメディ調なのが匂い、単にストーリーの飾りつけの
ためにのみ、舞台をヒットラーの時代に設定し、そしてユダヤや
ナチを題材に選んだような気がしていた。


そんな、偏見を持たしてしまう予告編の作りは失敗だと思う。


この映画を見たことを、会社の女の子に伝えた時に言われたのは
「それで、笑えたの?」という言葉。
この質問が出ること自体、間違った印象を与えている証拠だ。


ところで、この映画はダントツに面白かった。
ブラックな題材で笑わせて人をひきつけておこうという映画ではな
かった。

シリアスで、美的で、残酷で、その上にとても過剰で、僕にとっては
キル・ビルなどよりも、ずっと印象が深い映画となった。


上映開始後1時間以内に、面白くないので途中退場した観客に対し、
鑑賞料金を全額返金する

という自信のほどが「なるほど」と、うなずけた。


第一章から、だれることなくずっとひきつけられた。

特に、ユダヤ狩りが仕事のランダ大佐をやった、クリストフ・ヴァ
ルツがうまかった。当映画で今年のカンヌ国際映画祭男優賞を
受賞したというのもうなずける。今年52歳で超遅咲きの俳優との事。


陽気に、ふるまいながら徐々に相手をじわりじわりと追い詰めてゆ
く、何ともいえないいやらしさ。見ごたえのある人物像をかもし
出していた。
相手を追い詰めていく会話の場面など、他の役者では出せない独特な
空気を感じさせた。


それと、家族を虐殺されている中で一人、逃げて生き残った女性
ユダヤ人のショシャナ(メラニー・ロラン)。最終章では、赤いドレ
スできめているが、その正装より、なにげに喫茶店で本を読んでいる
様子などが、とても美しい。


自分に興味を示し、どんどん近づいてくるナチスの将校と同行し
会話をしている場面で、彼女は作り笑いをする。その作り笑いがひき
つっていて、単に唇の両端が上に上がるだけの表情になっている。
そのなすすべもない様子も、こちらにひしひしと伝わってくる。


そして、自分の家族を瞬時に虐殺した男・ランダ大佐との対面での
微妙な空気。目の前でむしゃむしゃケーキを食べ続ける男。
そのショシャナの苦痛の前ぶれがあるからこそ、ラストの映画館の
シーンに共感できるのだろう。




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