路上のソリスト 原題: THE SOLOIST アメリカ/2009/117分
監督 ジョー・ライト 原作 スティーヴ・ロペス
脚本 スザンナ・グラント
出演者 ジェイミー・フォックス ロバート・ダウニー・Jr
キャサリン・キーナー
コラムニストが路上生活者・ナサニエル・エアーズに出会う。
路上生活者は統合失調症だが天才的な音楽能力を持っている。
コラムニストは彼に惹かれ彼のことを文章に書くかたわら、彼の生活
の再生に手を差し伸べようとする。
映画「路上のソリスト」に関してのおおまかなのストリーは、週刊誌
などを読んで知っていた。
本屋で、「路上のソリスト」の原作本をみつけた。
4・5ページ読んでみた。
面白い。あっとゆうまに読み進んでしまいそうに思えた。『これだけ
原作が読者を引き込む力を持つのなら、映画も面白いのでは?』と
思い、本は後回しにしてまずは映画を見ることにした。
賞を取ったという「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ」の後に、1日空
けて「路上のソリスト」を見た。
内容の深みで、完全に「路上のソリスト」が上だった。
「ヴィヨンの妻」には泣けなかったが、路上のソリストには泣けた。
監督はあの傑作映画「つぐない」のジョー・ライト。これからは、
この監督は要チェックだ。
こんなにいい映画が内容ほどには注目されていないのは、どういうわ
けなのだろう?
それにしても、天才と呼ばれる音楽家には、よく精神状態が危うい人
が多いようだ。
実話映画の「シャイン」のピアニストもそうだった。
何か音楽には精神を破壊する要素が潜んでいるのか?
ところで、この映画を実在のエアーズ氏はみていないという。
原作者のスティーヴ・ロペス本人が、記者の「エアーズ氏はもう映画
をご覧になったんでしょうか?」
という質問にこう答えている。
実は、統合失調症のせいで彼は2次元の映像が怖いんです。彼にとっ
てはテレビや映画の映像は、幽霊のように見えるそうです。自分を
描写した幽霊なわけですからさらに難しいんですよ。
それでも、友だちがたくさん出ているからということで、キャストと
スタッフのための試写会に行ったんです。皆とても楽しみにしていま
した。
「無理しなくてもいいよ」と言ったんですが、「いや、見たいんだ」
と彼は答えました。
「じゃぁ、いざとなったら目を閉じればいい。あんまりつらいよう
だったらすぐ外に出よう」てね。
そして映画が始まるとすぐに彼は目を閉じてしまった。最後までその
ままでした。しかし、周りの友だちの反応を通じて彼も映画を体験
したんです。
自分、あるいは知り合いが画面に出ると、皆叫んだり笑ったりして
いました。彼も一緒に反応して、パーティーみたいに楽しんでました。
特に音楽を楽しんだようです。自分の音楽だし、親友の1人ベン・ホ
ンが弾いていますからね。
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