彼が二度愛したS  原題:Deception 2007年/アメリカ/108分
             
監督:マーセル・ランゲネッガー
出演:ヒュー・ジャックマン、ユアン・マクレガー、
   ミシェル・ウィリアムズ、シャーロット・ランプリング


孤独な会計士の男が、ビルの窓から映し出される綺麗な夜景に囲まれ
ながら、夜中にコンピューターと向き合って仕事をしている。 彼の回り

には誰もいない。一人で残業しているような状態だ。


このシーンを見たときに、少々自分と重ね合わせてしまった。


僕は会計士でもないし、単にノートパソコンで仕事をしているだけだ。

そして、仕事が遅いのでサービス残業になってしまう。

なので、人が聞いたら『あほか!』と、怒られてしまうかもしれない。
でも、映画は主人公に我が身を重ね合わせた方が、おもしろいか
らねぇ。


話を元にもどすけど、そこに、ハンサムで気さくな弁護士が、通りすが
りに、彼に話しかけてくる。


(ちなみに、今来ている映画「ウルバァリン:X-MEN ZERO」。
 この主人公が、「彼が二度愛したS」で、弁護士役をしていたヒュー・
 ジャックマン。)


会計士には、友だちもおらず、職場と家を往復するだけの退屈で孤独な
人生を送っていた。
しかし、その弁護士との出会いをきっかけに、いっしょにテニスをする
ことになったり、バーで飲んだりする仲になる。孤独な彼にも友人ができ
たというわけだ。

お互いの携帯を間違ってそれぞれ持ち帰ってしまい、彼が使っている
携帯を手元に置いた事により、物語はおもいがけない方向に進む。


弁護士が使っていた、選ばれたエグゼクティブだけが集う秘密クラブを
利用することにより、「S」と名乗る女性と知り合っていく。

まじめな会計士が官能めいた甘いわなに落ちていく。

その「S」役のミシェル・ウィリアムズが、綺麗。特に会計士との初めての
出会いのシーン。地下鉄で彼に一言二言、会話をかわすさいの彼女が
魅力的だった。


そんなに期待しないで見た映画だったので、最初の数分で急に
「これは自分が思っているような官能的シーンで水を濁したミステリーで
はないぞ。」
と、膝を正したものだ。

特に最初のシーンでの、会計士と弁護士が知り合いになっていく会話が
みごとだった。


しかし、後半のストリーの引っ張りすぎが残念だった。
ラストシーンでの女性の態度も、その直前のシーンでの意味がよくわか
らなくさせるような終わり方になってしまった。
ストリーの詰めが甘かったのが惜しい。


そのせいか、見た人の評価も良くないのが多いようだが、僕としては
全体的にけっこう楽しめた映画だった。

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