「グラン・トリノ」   2008年/アメリカ/カラー/上映時間117分

 

監督:クリント・イーストウッド 脚本:ニック・シェンク 

原案:デイブ・ジョハンソン 出演:クリント・イーストウッド、ビー・バン、

アーニー・ハー

 

 

クリント・イーストウッド、彼の名を覚えたのは、吉田拓郎が歌っていたフォークソングの歌詞のせいだった。
「加川良の手紙(作詞:加川良)」という歌詞に 『クリント・イーストウッドっていいでしょう』と出てきて、耳にやけに残ってしまったからだ。そもそも吉田拓郎の声はそんなにきれいな声だとは思わないのだが、忘れられない音を持っている。他の人にはまねできない響きだ。

 

そして、クリント・イーストウッドは、テレビ映画で何度か見たおなじみのアクション系アメリカ俳優として僕の頭の中にイメージされていく。

 

それにしても、最近の彼の俳優や映画監督としての活躍は、年齢的に言っても奇跡に近いものを感じる。今年79歳だ。79歳のイメージは静かに余生を楽しむという印象だが、彼の場合は異常なテンションで世に自分をアピールできている。79歳にして、主演して監督して全世界を感動させてくれるのは、本当にすばらしい事だ。

彼が監督した映画「グラン・トリノ」、その前の「チェンジリング」両方の作品とも楽しんで見れた。「グラン・トリノ」は妻に先立たれたガンコで孤独な老人が、隣家のアジア人一家と交流を深め、街のワルと対峙することになるというドラマ。


まずは、画面いっぱいにクリント・イーストウッド演じるウォルトの老人ぶりが堪能できる。たえず何かに苦しげにうなっているような呼吸、そして顔にきざまれた無数のシワ。しかし、その老人・ウォルトが街のチンピラに一歩もひけを取らないところがすがすがしい。

映画の面白さの一つに、隣家のアジア家族のおもいがけない歓迎のシーンがある。

ウォルトがいくらことわっても、ことわっても、家にどんどんごちそうを運んでくる。こんなお隣さんは普通は考えられない。今は近所とほとんど交流のないぼくとしては、このシーンがちょっとうらやましくもあった。


映画は最初のユーモラスな雰囲気から、だんだん緊迫していくストリーに変化していく。のんびりしたヒューマンドラマに終わっておらず、それゆえ、ウォルトの決断したラストの行動も印象深い。

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