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鮫鰐通信

バリで5年暮らした後スラバヤ駐在の旦那サマと結婚。スラバヤ生活5年半を経て、2016年4月末に本帰国しました。
       島が変われば品変わる。フリーライター系駐在員新妻のスラバヤあれこれ、時々猫とバリ。

毎年10月にGrand Cityのコンベンションホールで開催されるJATIM Fair。
Jatim(Jawa Timur、つまり東ジャワのこと)と言いつつ、出展ブースはスマトラやカリマンタンなどインドネシア中から集まるという、狙い所のよく分からない東ジャワ産業エキスポです。

2015年は10月8から18日まで。
初日の昨日、早速行ってきましたよ!
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iPhoneからの投稿なので、写真が小さめです。


入り口ゲート。
ゲートの脇にチケットブースがあって、そこで入場券を買って入ります。入場料は、平日15時までならRp.10,000で2人入れます。15時以降や土日祝日は料金が変わるというこれまたよく分からない仕組み…。

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もぎりの人に手の甲にハンコを押され(無意識に左手出したら「右だ!右!」と言われた。なんだそのこだわり)、中へ。

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正面入り口入って目の前の広いスペースが東ジャワ用に充てられています。さすがにね、メインだもんね。

工芸品の他、東ジャワを拠点にする企業やメーカー、携帯電話会社などがブースを構えています。

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日本領事館のブースも。

でも私たちのお目当ては、バティック!
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うひょーラブ
あるある!

人気があるのはチレボンのお店。こういう催しでは必ず見かけるLasemのお店もありました。

今回心奪われたのは、
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これ。
バティックとビーズを組み合わせたネックレスです。同じ造りのブレスもありました。

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買っちゃったよねー。

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こちらはチレボンから来ているお店で買ったもの。全面メガムンドゥンじゃないところがイイ!

この日はあまり時間がなかったので、会期中にもう一回行かなくちゃ!




Galaxy Mallのまだ向こう、スラバヤ西部からだと車で40分以上かかるところにあった、仙台味噌&醤油ラーメンのお店「麺屋佐畑」が、移転再オープンしました!

Sabata外観字入り


新店舗は、Water PlaceのC棟1階。PTCの出入り口に面したところのちょうど裏側、という感じです。
外看板が出ていないのでわかりにくいですが、お隣のCHUN Reflexologyが目印になります。

サバタ外観

さすがに目の前まで来るとわかる…かな。

さて、公式FBページによると、この移転オープンで、麺屋SABATAは「千の家」(ちのや)という居酒屋的なお店もくっついた営業形態になった様子。

ラーメンメニューは以前と変わらず。
ラーメンメニュー


千の家のメニューは
千の家メニュー

こんな感じ。お刺身、つくね、ししゃもにイカ焼きと正に居酒屋なラインナップ。アルコールはビールのみですが、今後増える…のかな…?


串揚げメニュー

串揚げ!
インドネシアの人は揚げ物上手だから、串揚げもきっとおいしいでしょう。

この日はお昼だったので、飲みメニューはまた今度にしようってことでとりあえずラーメン!

お茶

お茶dinginをオーダーしたらこう来ました。すごい量~。ちゃんとした玄米茶でおいしい。

そして醤油ラーメン!
醤油ラーメン

あーん、やっぱりおいしい。いつまでもずるずる飲んでいられる出汁、すっきりした醤油、もちっとした麺、ほろほろのチャーシュー。文句なし!


居酒屋部門始めたってことは、ちょいちょいつまみつつ飲んで、フィニッシュ・ラーメンまでできちゃうってことですよね。これは男性陣には嬉しいのでは。

…私も今度やろう、つまみで飲んでフィニッシュ・ラーメン!


《店舗情報》
麺屋佐畑 with 千の家
住所:Waterplace apartment Tokan C-09
営業:11:00~22:00
公式FBページ:https://www.facebook.com/sabata.chinoya?fref=ts
Spazio、結構お店が入れ替わってますね。ハイネケンの生があって、トリュフ・フライがおいしかったFABBRICAがいつの間にか閉店してしまったり、ビターで美味しかったチョコレート屋さんも撤退しちゃったり…。

そのSpazio本館(?)の手前、いつからかSpazio Terraceという名前がついて、飲食店がずらっと入るようになりました。
そこに、色とりどりのジェラートが並ぶお店があるというので行ってみましたよー。

ジェラート屋表

IL GELATO DI BRUNO

イタリア、ヨルダン、マレーシア、シンガポール、トルコなどにも店舗があるんだそうです。

ジェラートや内観

ジェラート屋って聞いてきたのに、いきなり喫茶スペース。
聞けば、この客席スペースの奥に中通路を挟んでもう一つ店舗スペースがあって、そこにジェラートが並んでいるとのこと。
「席でも注文できるけど、直に見て選ぶなら奥へどうぞ」ということで奥へ。

ジェラートアイスボックス


ばばーーん。入って正面のジェラートボックス。
PISA Cafeのラインナップに似てますが、フレーバーはもうちょっと大人っぽい感じ?

アイスボックス

こちらは正面右手にあるアイスボックス。アイスキャンディが並んでます。

価格

お値段と選び方はこちら。
1フレーバーRp.30,000、3フレーバーだとRp.65,000。「2フレーバーだと?」と聞いたら、「3フレーバーと一緒」と言うので、じゃあ3フレーバーにするよ…と3種類選ぶことに。

いろんなアイス屋さんがそうですが、ここも無料で試食できます。
キティ!

で、やっぱり気になるのがこれ。
キティ味って…何味だよ…。
白地にところどころ赤いものが混じっていて、全体がほんのりピンクっぽく見えるというこの一品。食べてみたら、ストロベリーチーズケーキでした。
あ、これおいしー。

ローズってどんなの?うっわ、まじですごいバラ! あれは?これは?うーん、これにしようかな。え、もう一回いいの?んー、んーーー…

と悩んで選んだのがこちら。
3フレーバー

多い…ガーン
キティと、カプチーノと、スコッチ(だったっけ?洋酒っぽいやつ)にしました。
意外にもキティが一番甘ささっぱり。スコッチは大人の味でした。きっちりお酒の味がします。カプチーノもほろ苦。

水

客席には、フリーのお水が用意してあります。

ジェラートだけでなく、生絞りジュースや軽食もあります。軽めのランチならここでOK。
正直1回分のアイスにRp.65,000は高い。でもまあテラス席もあるし、いろんな種類の中からあーでもないこーでもないとアイスを選ぶのは楽しいです。
次はアイスキャンディ食べてみたいなー。


《店舗情報》
IL GELATO DI BRUNO
住所:SPAZIO TERRACE 7
電話:031 60039818
ワヤン・クリッ職人のおっちゃんのところを出て、ホテルへ。
荷物をピックアップして、ついでにトイレにも行って、フェニックスに別れを告げます。いいホテルだったー。


タクシーで一路空港へ。
昨夜の暴飲と朝食が効いて、4人とも空腹を感じていなかったのでお昼はパス。お腹すいたら空港でなんか食べればいいよね、おやつも持ってるしね、ということで。

ホテルから空港までは約30分でした。早かったなー。

ジョグジャの空港は小さいです。一応国際空港なんだけど、平屋建てだし、滑走路短いし…。
スラバヤの空港の方が建物はよっぽど立派ですが、ジョグジャの空港には小さいお土産物屋さんがぎっしり入ってて、さすがに観光都市。

帰りはジョグジャからスラバヤまで飛行機でひとっ飛び。
チェックイン時にゲートが決まっておらず、搭乗時間間際になっても表示されず…まあアナウンスされるでしょ、とおやつ食べつつ待っていたら、意外にもオンタイムで搭乗案内。

帰りの飛行機


Wingsのプロペラ機で帰ります。

フライトは約40分。上に上がったな、と思ったらもう降りる、くらいの感じです。
こんなに近いならもっと頻繁に行けるよなー。
到着もオンタイム。やればできるじゃん、Wings。


帰ってきて、旦那さんとBakpia食べつつ、買ってきたものを見せながら旅のあれこれを話して、早速絵やチャップや布を飾りました。
「ほんまにバティック旅やな…俺、無理」。うむ、バティック旅は女同士に限る。

こんなにどっぷり、バティック他手工芸品のみにフォーカスした旅は初めてでした。一緒に行ってくれたお友達に感謝。
それなりにいいバティックも買ったし、これでもかってくらい見たし、しばらくバティック熱は下がるかな…と思ったけど、「10/8からJatim Fairよね!」と別のお友達に言われてやっぱり「バティック!バティック!」とお目々キラキラになってしまう私。この旅で深めたバティック愛と知識でJatim Fairにあたる所存です!!
バティック・ミュージアムを出て向かったのは、またしても王宮の南側。もういっそこの辺に宿とったほうが良かったんじゃないかと思えるほど王宮の南側にしかいなかった今回のジョグジャ旅、最後を飾るのはワヤン・クリッです。

地図を頼りに、途中タクシーのドライバーさんが道を聞きに行ってくれたりしつつなんとか到着。大通りを折れた小道にありました。

Sangar Sawo外観

Sangar Sawo

Sangarっていうから、ある程度の規模のグループでやってるところなのかと思ったら、まるっきり民家。
そして出てきたのは歯の抜けた小柄なおっちゃん1人。

「よく来たなよく来たな、入れ入れ。ん、インドネシア語がわかるのか?そうかそうか、入れ入れ」ととっても賑やか。招き入れられたのは、入り口すぐの応接セットが置かれただけの簡素な部屋でした。
「おじさんがワヤン・クリッ職人?」と聞けば、「そうだ、俺1人で作ってるんだ」とおもむろに部屋にあった大きな木箱を開けて…

いっぱい出てきた

「これがラーマだろ、シンタ(シータ)、アルジュナ…」
うわわわわ、いっぱい出てきた!

細かい彫り、鮮やかかつ繊細な彩色…。ワヤン・クリッにそれほど精通していない私でも、これは一級品だと一目でわかります。

おっちゃんは、作業中のワヤンなどを惜しげもなくあれこれと引っ張り出しては私たちに作業の過程やディテールについて、たっくさん話してくれました。

ワヤン作業中

左はアウトラインを切り出したばかりのもの。右は彫り終わって、彩色待ちのもの。
右はハヌマンなので左のとは別人ですが、最初はただの皮の一片だったものが、小さなノミと木槌で細かな模様を穿たれ、一体のワヤンへと変貌していくその過程が垣間見えます。
陳腐な表現ですが、それは本当に「命を吹き込んで」いるよう。

この細かさ!

この細かさ。

「昔はたくさんの外国人がここまでやってきて、写真を見てオーダーして帰って行ったもんだ。オーダーするだろ、俺が1人でこつこつ掘って、色をつけて、送る。手元に届くのはオーダーしてから3ヶ月後だったな。ヨーロッパへもアメリカへも、もちろん日本にもよく送ったよ」
とおっちゃんが出してきたファイルには、主要登場人物以外のワヤンの写真と、価格表が入っていました。
その価格表を見ていて、ふと疑問が。それぞれの登場人物に、いくつもバージョンがあるんです。値段もそれぞれ違う。「なんで?」とおっちゃんに聞いてみたら、ワヤン・クリッは、それぞれの登場人物につき2体以上のバージョンがあるのが普通なんだそうです。例えばラーマなら、平常時のラーマと戦いの時のラーマ、といったように、シーンに応じて使うワヤンが代わります。戦いの時は全身から炎のようなものが出ていたりと、影絵にした時に見た目に分かりやすいような造形の違いはもちろん、ワヤン自体の色も違うんです。平常時のラーマは肌が金色だけど、戦いの時は黒。へぇぇぇぇぇ。「大きさだって変わるんだ。通常時のアルジュナはこれくらいだけど、怒ったらでっかくなるんだぞ」。

私が大好きな、白い猿の神様・ハヌマンは4変化。
ハヌマン色なし・有

これはノーマル・ハヌマン。
この記事冒頭のSangar Sawoの看板に使われているワヤンの写真は、戦闘態勢の巨大化したハヌマンなんだそうです。山運んで来ちゃう時ですね。スーパーサイヤ人みたいに全身の毛が逆立って赤くなってます。ワヤン自体のサイズもどどんと大きくなるのだそう。

「登場人物によって、使う皮の部位も違うの?」と聞いたら、奥から切り出す前の大きな皮を出してきて、「そうさ、大きいのは厚みのある部分、シータなんかは薄くて柔らかい部分を使う。女性のしなやかさを表現するためにな」。
へえええええぇぇぇぇえぇ。

「ワヤンを飾る時にはポーズに気をつけないと。こう、手を下げて、手のひらを上に向けると『Welcome』だ」
「え、ポーズに意味があるの?」
「そうだよ。例えばラーマとシータ。シータのすぐ後ろにラーマがいて、2人とも同じ方向を向いて手を下げていれば『Jalan Jalan』。ラーマが後ろにいるのはシータを危険から守るためだ。2人が向かい合って手を下げていれば『Damai』。夫婦仲は平和なのが一番だな。でもラーマが他に女を作ったのがシータにバレたら、こうだ」
と言って、シータの両手を腰に。
「シータがラーマに怒ってるんだ」
ここで「うわあああ、そうなんだ!!!」と大納得の私。インドネシアでは人と話す時に腰に手を当ててはいけない、それは怒っているということだから、というのはよく知られた習慣ですが、ワヤン・クリッから通底してたんだ…!

「で、こうなったら喧嘩だ」と、2人の手を胸のあたりまで上げて前に向けます。
「家に持って帰って飾っとくだろ。普通の時は『Damai』にしとけばいい。『Jalan Jalan』にしとけば、『ああ、ここの家の人はでかけてるんだな』ってわかる。旦那の浮気を発見したら、シータの手を腰に当てときゃ、それ見た旦那が『いけねぇ、バレた』ってわかるわけさ」
わっはっは、と笑うおっちゃん。まあ家で実際にやるかどうかは別として、私は「ワヤン・クリッの仕草が今もインドネシア人のコモンセンスに通じている。そしてインドネシアの人々は、ワヤンがどんなポーズをしているかでそれがどんな場面なのか分かる」という部分にガーン、とやられていました。
深い…。深いってわかってたけど、改めて深い…!

日にすかすと…

おっちゃんがワヤンを持って外へ出ながら、「こうやって日に透かすときれいだぞ」とやってくれたところ。
これぞワヤン・クリッの真骨頂。影にすると、彫りの細かさにぞくりとします。

あるじゅな?


色は全て顔料。天然の鉱石などを細かく砕いて水で溶いたものを、猫の毛でできた筆で塗っていくのだそうです。「猫の柔らかい毛じゃないとダメなんだ。こういう細い線を描くのにはな」。…その猫ってまさか筆を作るために殺したりしてないでしょうね…と背筋が寒くなりますが…そんなことはしてないと信じたい。

腰に巻いてるサロンがちゃんとバティックの伝統模様なところもグッときちゃう。

さっきの価格表、ハヌマンだけ飛び抜けて高かったので、「なんで?」と聞いてみたら、「白はむっっずかしいんだ!白が一番塗るのが大変なんだ。定着しにくいから」とのこと。「金は?」「金は簡単」そういうもんなのか。

ハヌマンアップ


「こういう、腕輪なんかのところ、3色のグラデーションになってるだろ。これも必ずこうしないといけないんだ」よく見てみると、確かに、薄いピンク、やや濃いピンク、赤、といったように同系色のグラデーションになってます。「必ず3つなんだ。シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマ」ここでも「うわあああぁぁ」。これ、バリ舞踊の化粧と同じ意味。まぶたから眉毛にかけて、黄色、青、赤の3色を引くんですが、それも「シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマといつも共にある」という意味なんです。

全部、ぜーーーんぶ繋がってるんだ…。

ハヌマンを日にすかす


これまでに何度もワヤン・クリッも観ているし、バリやジャワで他の職人さんの仕事ぶりを間近に見る機会もあったけど、こんな風に知識が深まったのは初めてのことでした。
おっちゃん、凄い人だった。

おっちゃんと


前回のジョグジャ旅行でワヤンを買わなかったことだけが心残りだった、と言っていたお友達がラーマとシータのペアを購入。
私は「このおっちゃんのこの仕事がこの値段で買えるなら全然高くないけど、家に飾るかな…?」とギリギリのところで迷いが出てしまって購入せず。
でもハヌマンを持って写真撮らせてもらいました。

おっちゃんは、「土産物用の小さいサイズのなんか作らん。ありゃニセモノだ。ただのおもちゃだ。ワヤンじゃない」ときっぱり。職人の誇りと矜持と、深い知識と確かな技術に裏打ちされた素晴らしい手仕事。どうか1日でも長く、1体でも多くのワヤンを作り続けてほしい。

「大通りまで出ればタクシーがつかまるよ。スリに気をつけるんだよ。カバンは体の前にかけなさい。またおいで」とにこにこ手を振って見送ってくれました。

とても大切ななにかをもらったような気がします。


《店舗情報》
Sangar Sawo
住所:Jl.Suripto MJ3/911 Mantrijeron, Jogjakarta