それが機械式時計となると、少しばかり、いや時にはガラッと見方が変わる場合があります。
長年腕時計を収集してきた私でさえ、GETした腕時計を修理依頼するも、修理が完了したら割と長い期間放置しています。⇦収納する箱が圧倒的に足りない!(>_<)
今回は腕時計の「さめまるコレクション」には入ってないんだけど、久しぶりに箱(※釣りに使うルアーを収納する箱が意外にも便利なんですよ!)から出して見たら『実はスゴかったよっ!』という話です。
さて、ではさっそく実物の写真を見ていただくとします(=゚ω゚)つ


外観上は何の変哲も無い1950~60年代に製造されたと思われる、ごく平凡なスイス製の紳士用腕時計。
ケース径は34mmφ、厚さ9mm、材質は真鍮にクロームメッキ?です。
時・分針は「ドルフィン・ハンド」
秒針は「スモール・セコンド」
文字盤は「ゴールド・インデックス」
に時代が感じられるくらい。
ベルト幅は17mmのやや小ぶりな時計ですが、当時はこれが一般的な紳士用腕時計のサイズでした。

文字盤の12時下に
メーカー名の「Mercury」と
人工ルビーの石数「17 JEWELS」がプリントされています。

次いで裏蓋を開けて、中の機械「ムーブメント」を見てみましょう。
手巻きのムーブメントは自動巻のようにローターが無い分、中の様子が良く分かりますねっ(^ ^)
ムーブメントの直径は約23mmφで、これってひょっとしてかなり古い時代の設計?かもしれません。⇦だいたい1920~30年代あたり?
ムーブメントを囲んでいる輪は「テンション・リング」で、小さな機械を支持する為に有ります。
設計の旧い小径のムーブメントなどを、後に大型化したケースに収めるのに対応しています。
近年のデカ厚腕時計の中にも、同様の手法を取る場合があります。

ムーブメントを拡大しました。
ここで、問題が発覚ですっ!∑(゚Д゚)
なんと、ムーブに使われているルビー?の数が「15 JEWELS」と刻印されています!
文字盤には「17 JEWELS」のプリントがあります。
文字盤かムーブメントのどちらかが、後になんらかの理由で入れ替わったのかもしれません。
スイスの時計業界は、最盛期(1950~60年代)には、数多くのメーカーが乱立したと言われています。
逆に言えば、それだけ汎用性が高いとも言えるわけで、寸法さえ合えばいくらでも互換性が効きます。
ムーブのメーカー名は「LIOBA」
このムーブメント・メーカーはスイス国内にかつて有ったようですが、現在は無くなったかもしれません。
ネットで調べてもヒットしなかったので、全くの無名メーカーだと思われます。

1)刻印にある「3 ADJ.」
これは、「3方向の姿勢でムーブメントを調整した」ことを意味します。
3姿勢とは
①文字盤側を上に。
②文字盤側を下に。
③リュウズ側(またはその反対側)を上に。
この3方向の精度(テンプの振れ具合)を、規定の基準に従って調整します。
どうりで、ゼンマイを巻いて3日目にしては時間が良く合っているわけですねっ(≧∇≦)
※ちなみに私が日頃から愛用しているオメガ スピードマスター・プロフェッショナルは「UNADJUSTED」(未調整)ですが、元々特に細かい調整をしなくても高精度を発揮できるよう、高度な技術で設計されたムーブメントを搭載しています。
2)人工ルビー?の色が「青色」
裏蓋を開けたら、石の色がいつもと違いました!?(・_・;?
私が今まで見てきた数多くの機械式時計のムーブメントはほぼ99.9%の確率で、使われているルビーの色はピンク色です。
つまり、この青色の石が使われているムーブは初めて見たわけです(≧∇≦)
これを見た瞬間、私はスイス製時計の凄まじさを垣間見る思いがしました。
日本の時計メーカーには決して真似できない部分に工夫が凝らされています。
もし、他に同じように青い色の石が使われたムーブメントを見た方がいましたら、コメントくだされば幸いです。

機械式時計の心臓部である動力源となる「テンプ(天府)」です。テンプが付く「テンワ(天輪)」には細かいネジが多数付いており、これでテンプが一定して振れるようバランスをとっています(現在はネジが付かない平らなタイプに改良されたものがほとんどです)。このネジは「チラネジ」と呼ばれています。
3時位置にある「リュウズ(竜頭)」を巻くことでゼンマイが巻き上げられ、テンワが回転して振動が発生することにより、時を刻み始めます。
この時計は5振動、18000振動/時で動きます。
では!