昭和の終わり頃、80年代後半だったか。「ハートカクテル」というまるでOヘンリーの短編集の様な粋なショート・ショートの5分程のアニメ番組があった。作画はわたせせいぞう。音楽はJazzピアニストの松岡直也。
~ ハートカクテル vol.11 「ノックをしなかったサンタクローズ」~
さて今夜はクリスマスイブ。
自分にはこんな粋なストーリーはないが、お気に入りのレビュー劇団Tokyo Rougeのクリスマスイベントがあると聞いて羽田空港に向かった。 実は空港に行くのは少し複雑な心境だった。2年前までは年に3、4回は海外に出張していたが、最近はすっかりその機会も殆ど無くなってしまったからだ。若い人の育成が優先という会社の方針に納得はしているが自分が主体的に動いていた頃を思うと寂しい。 京浜急行の快速特急で職場のある品川から羽田空港国内線ターミナルまではあっという間だった。
そして出発ロビーの大きなツリーの前には白いサンタクロース姿のTokyoRougeの彼女達が優しい笑顔が迎えてくれた。
(第2ターミナル出発ロビー 12/24)
帰省客であふれる旅客ターミナル。恰幅のいい赤いサンタと一緒にで旅人達に小さなお菓子のプレゼントを配ったり、子供達を招きいれて一緒にダンスを踊ったりしていた。北海道にスキーに向かうオーストラリア人の団体も彼女たちに驚いてカメラを向けていた。
(第2ターミナル出発ロビー 12/23)
(第2ターミナル出発ロビー 12/24)
(第1ターミナル出発マーケットプレース 12/24)
空港というところは別れと出会いがあり様々な人生が行き交う。
「大切な人に花束が送れる」というトークイベント。いつも優しい祖父母に感謝の花を送りたいという少年、東京で療養中の娘さんを気遣いお見舞いの花を送りたいというご両親など、少し照れくさそうに語る人々のインタビューのたびに白いサンタ達といっしょにこちらも胸が熱くなる場面もあった。
(第1ターミナル マーケットプレースにてトークイベント 12/23)
(同 12/23)
(第2ターミナル5Fのスカイラウンジにて 12/24)
そしていつものように華麗なプチダンスショー。彼女達のダンスはいつも足元から指の先まで心がこもっていて様式美が素晴らしい。見ているうちに嫌なこともすっかり忘れてしまった。
(第1ターミナル2Fマーケットプレース 12/23)
航空会社の社員による吹奏楽部の演奏もあり楽しい時間だった。クリスマスソングもあれば今話題の映画のあの曲も。
(第1ターミナル2Fマーケットプレース 12/23)
最初は場違いなイベントに来たかなと思ったが、様々な人生が行き交う空港で、自分自身も白いサンタにちょっぴりエールをもらったようで少し元気になった。
(第1ターミナル 12/24)
ありがとう白いサンタクロース。