残念ながら木漏れ日リング現象は見つけられなかったが金環日食そのものをカメラに収めることができた。
天候が懸念されたが、7:00過ぎには雲間より時々薄日が差し始める。
薄曇がフィルターの役割を果たし世紀の天体ショーをより幻想的に楽しませてくれた。

金環食の瞬間晴れ間がのぞき、近所の小学校から歓声が上がったのが聞こえた.



ピークを過ぎ、月の影が離れて行く。


東京で173年ぶりの瞬間に立ち合う事ができた。
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そしてこの記念すべき日の夜。
朗読「宮沢賢治が伝えること」を観に行った。
生の伊藤蘭さんを観るのはキャンディーズ解散以来なので、はやる気持ちを抑えつつ仕事を振り切る様に会場の世田谷パブリックシアターに向かった。

彼女にとって朗読公演は初体験の様だ。キャンディーズの頃はラジオ等で詩を読まれる事があったので意外でもある。

薄暗いステージ上の大きなテーブルとそれを囲む3つの椅子。
テーブルの前には雑然とたくさんの本が平積みされている。
後方の中村友子さんのマリンバの旋律が静かに玉をころがす様にホールに共鳴しはじめる。
左に段田安則さん、右に江口洋介さん そしてステージ後方から蘭さんが現れテーブル中央に座るとスポットライトが当たった。
34年ぶりのランちゃん。。。。!
自分は2F席最前列。一生懸命に目を凝らしたが表情までよく見えない。残念ながら視力が落ちている。。。
「注文の多い料理店」が始まる。
段田さん、江口さんが2人の狩人役を演じ、蘭さんが語り部役。
次々に現れる扉の謎をマリンバの旋律にのって懐かしく聞かせてもらった。
一番感動したのは「よだかの星」。
よだか役の蘭さんの声が若い!
みにくい鳥に生まれたしまった絶望にあえぎがら健気に頑張るよだかが可愛いくて愛おしく、目をつぶるとそこにあの頃のランちゃんがいるようだった。
左右がミキちゃんとスーちゃんだったらなどと叶わぬ夢を妄想してしまった。

「永訣の朝」、「稲作挿話」等の作品が続き、賢治の37歳の短い生涯が閉じたところで3人は余韻を残してステージから去っていく。
カーテンコールもなくあっけなく終わってしまったが
これは宮沢賢治の言葉のもつ力を伝えるための演出だったと納得。
朝から壮大な宇宙のドラマに酔い、ランちゃんの語る賢治の世界を通して、自然と共に生きている事について考えた1日だったと思う。
ありがとうランちゃん。
------- 【追記】 ------------
ランちゃんの「よだかの星」 を聞いている時
私はこれを思いだしていた。


夜空の星になったよだか。ランちゃんは何を想い読まれていたのだろう。。。