映画「ハラがコレなんで」 ~人生「粋」でなくちゃ!~ | Bohemian78-ambのブログ

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2週間程前になるが映画「ハラがコレなんで」を見た。
主演は若手個性派女優の仲里依紗ちゃん。監督は石井裕也監督。国内外での映画祭でAward受賞している若手のホープである。

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妊娠9カ月の光子(仲里依紗)。お腹の父親のアメリカ人とは留学中にわかれ今は帰国してアパートで1人暮らし。所持金も底をつき食糧はタクアンだけという切羽詰まった設定。突如アパート引き払い風まかせで幼少を過ごした貧乏長屋に旅立つ。そこで身重な体を鼓舞し貧しい人々、不器用で競争社会に適応できない連中を元気にして次々に人助けをやってしまう。

以下映画「ハラがコレなんで」トレーラー。
UP主様お借りします。



ストーリーはかなり難がある設定だらけだが、映画でも小説でも架空の新しい人間像を強引に作りだすほうが好きだ。
例えば親が離婚し、子供がぐれてゲーセンに入り浸って不良化するといったごく普通の設定は大嫌い。そのまま上野から夜行列車にのって行き先の漁村で人々を元気にさせて活躍するほうがよい。。


そしてこの映画のテーマは「粋」。
この世で大事なのは「粋」に生きること。
主人公の光子のセリフが今も頭に残る「飾ったり、慌てたり、しみったれた顔してんのはいきじゃない。」

「粋」は日本独特の美意識で外国にはそれにあたる訳語がなかなか見当たらないらしい。無常などの宗教観念からくる「わび・さび」とは異なり、庶民の生活から生まれてきたより日常的な美意識とある。(Wikipedia「粋」より)

石井監督はかねてから「粋」を描きたいと考えていた。「人間、お金や仕事や住居など、ステータスと言われる物を取り払った時に、どう生きるのか、最後は気持ちしか残らないんじゃないか。(後略)」というのが彼のテーマ。(パンフレットより)
まさに目標を失った今の日本人にとって示唆にとんでいる。
「簡潔に言うと、美意識のある生き様だとおもっています。ものすごく、シンプルなことなんです。かっこいいってなんだろうと考えた時に、お金を持っているとか、スポーツができるとか、見た目がいいとか、そういうことでなく、僕の中では、美意識のある生き方なんですね。それを粋という言葉に置き換えているんです。」(同パンフレットより)

もう1つのテーマは親の有り方にも思えた。自分を顧みず人の事を考える。身重な体はその象徴。命と同じくらいに「生き様」は大事。ハラの子供に「粋」な親としての生き様を示したい光子の思いが伝わる。


ところで主演の仲里依紗。すっかりファンになってしまった。
キャスディングでは彼女以外に適役はいないとなったらしい。
まず同性に好かれる女優。そして表情と全身で感情を表現できる人。
彼女は見事にそれを演じ切ったと思う。端正な顔立ちでとてもベッピンさん!今後の成長が楽しみだ。まわりを固める脇役陣もよかった。特にスナックのママ役の斎藤慶子。いい味だしてたな。ちょっとミキちゃんぽかった。

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光子(仲里依紗)のこのセリフが今も心に残る。
「いい風吹いてない時は、昼寝が一番。焦ったり。慌てたりしみたれた顔してんのは。粋じゃない。」
「大丈夫、風向きが変わったら、その時ドーンと行けばいいんだから。」


いいね!
周りになんざ流されず自分のペースを持つ。
物事「粋」かどうかで判断するのも悪くない。

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ところで。。。
キャンディーズの3人って、よーく考えると「粋」だったんだね。
彼女達はとても自分達の生き様に美意識を持っていたと思う。
だからあの1676日いが今でも美しく輝いている。

よっ! ミキちゃんランちゃんスーちゃん! 
君たち、粋だね―! 

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ん? 「あたりまえじゃない!」って言葉がどからか聞こえてきた気が。。