キャリア迷子だった私がタロットに出会って見える世界が変わった話 | ♤学び好きが集まる秘密の魔女御殿♤

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〜遊ぶように生きる魔女のサロン〜

【タロットとの出会い】

「また無駄遣いしてしまった......」

机の奥にしまった真新しいタロットカードを見てふと思った。私がタロットに手を出したのは片づけのレッスン生からのリクエスト。同時期に「かな先生って占いとかやらないんですか?」と3人から言われたのである。

自称習い事オタクの私は学び好きで過去に挑戦した習い事は50個以上。しかし、私のリストの中に占いは見当たらない。正直占いはあまり好きではない。決断力がない人が頼るものだと思っていたからだ。

 

 

この時私が半年先まで予約が取れない人気の片づけコンサルタントであれば、占いに手を出さなかったのかもしれない。当時の私は片づけの活動を始めて6年目。ライバルが増えていく中、別の新しい何かを見つけなければと焦っていた気もする。長蛇の列ができる新宿の母を目指す気はない。しかし、占い師デビューをしたら自然とリピーターが増えるかもと淡い期待を抱き始めていた。

どの占いにしようかと迷った時タロットを選んだ。昔、失業中に受けたキャリアコンサルタントのカードセッションが印象的だったからかもしれない。選んだカードから早く仕事を始めたいという本音に気づき、2週間後に就職が決まったことがあったのだ。

独学が苦手な私は3時間でマスターできるタロット講座に申し込んだ。はりきって受けたのだが、カードへの質問の仕方も、78枚もあるカードの意味も覚えられずすぐに挫折。タロットが何枚あるかも知らないくせに、すぐに占いを仕事にできると勘違いしてしまうお調子者の自分に呆れた。

占い師になって売り上げUPといった私の期待はあっという間に崩れ、真新しいタロットだけが手元に残った。

【懲りずに再挑戦】

それから半年ほど経って、起業家仲間の里美さんに朝活に誘われた。朝は廃人のような私が7時に秋葉原で開催される朝活に参加したのは「かなさんにぜひあわせたいタロットの先生がいる」という里美さんのひと言だった。

また、タロットか......

引き出しの中のタロットが「使ってくれ、使ってくれ」と私に話しかけてきた気がした。

朝活で受けたタロットのセッションはシンプルでわかりやすかった。タロットを引く前の質問が具体的で未来をイメージしやすかったのである。朝活が終わる頃に、私は「先生、私にもマスターできますか?」と質問していた。
「簡単だからすぐにできるようになるよ」といわれ、再びチャレンジすることを決意。

講座での一番の学びは「質問の仕方」。そもそも私は答えにくい質問を相談者にもタロットにも投げかけていることに気づいた。「最近どう?」と聞かれるのと「最近一番印象に残ったことは何ですか?」とでは後者の方が明らかに答えやすい。この時から質問の上手い人を観察することが習慣になっていた。具体的にイメージできる質問に変換することは、人との交流でも本業の片づけレッスンのときにも役立った。

何より意外だったのは、私は自分を占うことに夢中になっていたのだ。実際に占いの結果を検証するのが面白くて毎日カードを引いていた。誘われた交流会に参加するか否かだけでなく、講座の開催日や定員の設定等をカードに相談していた。

始めの頃は自分の気持ちを優先していたが、少しずつカードのいうことに耳を傾け始めた。おかげで悩む時間が減り、サクサク行動できるので自然と行動量が増えていった。次第に挑戦するのが怖いこともカードにそそのかされてやってみることにした。すると、自分が想像していなかった世界を見ることができた。

なんでもカードに相談するのは自分の意志がないように思われるかもしれない。しかし、実際は出たカードからどう感じて、どうしたいかを毎回確認する作業は未来への戦略会議の連続で早く決断できることが嬉しかった。

【本物の魔女から学ぶ】

ところが半年ほど経った頃少し物足りなさを感じるようになっていた。カードのことをもっと知りたい。色んな本を読み漁ったがしっくりこなかった。タロットの解釈は著者によって違う。いくら分厚い本を読んでも理解不能だった。

そんな時に片づけの受講生からLINEが届いた。「かなちゃん、面白そうな神話学とタロット講座があるけど一緒に受けてみない?」告知文を見ると「本物の魔女から生きた魔法を学びませんか?」と書いてあった。

怪しすぎる......

読み進めると講師は某有名大学の比較神話学博士。しかし、本名の記載も顔写真もなかった。それでも、行き詰っていた私には必要な何かがある気がした。タロットの後押しもあり受けてみることに。

講座ではカードと向き合うことを教わった。カードの背景にある神話だけでなく、対応するハーブや鉱物、星座や場所など幅広い知識が学べた。

先生にあるとき「神話の神様たちのことを知れば知るほど神様たちはかなさんを応援してくれるんだよ」と言われた。この時から私はタロットに出てくる登場人物に夢中になった。彼らのことを知れば知るほど私は応援される気がして温かい気持ちになった。

タロットは人生の縮図で経験する様々な出来事や感情が描かれている。絵柄を見ると客観的にもなれるし、多くのことに気づける。人生の困難を乗り越えるヒントが絵柄の中にいっぱい隠されているのだ。

【全人類にタロットを持たせたい】

今ではタロットは私の相棒だ。78枚のカードは私の78人の応援団と思うと心強い。悩んだときにそっとヒントをくれる仲間が常に後ろでスタンバっている。そんなことを考えると出会う人みんなにタロットを配りたい気にもなってくるが、それだと何かがずれている気がする。

そこで私は2人の師匠から学んだ質問力とカードの読解力を融合させて、多くの人にタロットの魅力と活用法を伝えたいと思った。タロットはセルフカウンセリングとしての最強ツール。当たり外れに執着せずに、迷った時や悩んだときに引いてほしい。自己対話力が上がれば、おのずとコミュニケーション力だって上がってくる。自己対話のためにタロットを活用してほしいのだ。

もしも、タロットに出会っていなければ私の人生は今とまったく違うものになっていただろう。一度は挫折したものの、カードを引き続けてきて今がある。気づけば『ゆるタロット』4冊を出版、ライターという職業を手にし、タロット講座の開催だけでなく、オンラインスクールのプロデュースにも挑戦できた。

あの時、片づけの受講生の声に耳を傾けてよかった。本当に夢中になれるモノをずっと探していた気がする。やりたいことって、実際にやってみてしかわからないと気づかせてくれたのもタロットだった。自分のやりたいことだけをやっていたら、きっとたどり着けなかった場所に私を導いてくれたのがタロット。

だからこそ、多くの人にタロットを手にしてほしい。あなたが持っている可能性を最大限に引き出してくれるのがタロットだから。カードを引いているうちに、行動できるようになって、その先には思いもよらない未来が待っている。

「全人類にタロットを持たせたい」そんな思いで「セルフカウンセリングとしてのタロット講座」を開催することにした。