来月はCT検査
…って思っていたら、また1/29、【兵庫県立西宮病院で『CT検査見落とし』】というニュースを聞いて、ゾゾゾ〜ッとなった。
2014年4月、胸の痛みを訴えて外来に来た50代の男性に20代の女性医師がCT検査を実施し、『気管支肺炎』と診断。
翌日、画像を確認した放射線科医が肺がんの可能性を指摘するカルテ(画像診断報告書)を作成したけど、女性医師はその内容を確認しなかった。
その男性が昨年8月にまた痛みを訴えて来院した時、別の医師が過去の受診記録を確認し、5年前の『肺がん見落とし』が分かった。
男性は現在ステージ3で、病状が進んで手術できない状態。
見落としていなかったらがんを切除できていたそう。
この他にも今までにたくさん『見落とし』が公表されている。
がん見落とし続出
検査をしたから安心というわけではなかった
『CTに予期せぬものが写っており、放射線科医はちゃんとレポート(画像診断報告書)にその旨を書いたが、レポートを主治医が見落とし、CT画像でも見落とした。』
というもの。
『予期せぬもの』とは、例えば、
『胃がんサバイバーで、既に手術を行なってがんは取り切れているけど、再発が出てきていないかをチェックするCT検査で、たまたま新しく肺がんができてしまっていた』のようなケースである。
せっかく、放射線科医ががんを見つけているのに、主治医がそのレポートを確認しないっていったいどういうことって思う。
放射線を用いて、身体を5~10㎜ほどの厚みでスライス、断面を撮影して病巣を発見するCT検査。
最新の装置だと、頭部画像を約10秒で、首から骨盤に至る画像を15〜20秒で撮れるそう。
3次元の立体画像を作り、様々な角度から見ることも可能
私たち患者は、ただ横になって約10〜15秒息を止めるだけ。
でも、CT検査は万能ではない。
肺がんやすい臓がんの発見には適してるけど、表面にある初期の胃がんや大腸がんは見つけにくいそうだ。。。
でも上記のような『人為的ミス』はどうかと思う。
病院によって流れは違うけど、大体の流れは次のようなものだそう。
✴️私たち患者がCT検査を受ける。
✴️すぐに結果の画像が電子カルテにアップロードされ、病院スタッフが見ることができる状態になる。
✴️その日じゅうに放射線科医が画像を見る。
(主治医はその日に見ることもあり、数日後に見ることもある)
✴️その日か翌日くらい(病院によっては数日後)に、放射線科医が作成した『読影レポート』が電子カルテ上にアップロードされる。
〈主治医→胃がんや大腸がんだと消化器外科医、腎臓がんだと泌尿器科医〉
〈放射線科医→画像を読むことを専門とする。患者には会わないで画像を読み、結果をレポートに書いて主治医に渡す。〉
私の病院の場合は、いつも午前中にCT検査があり、午後からが診察で、その日一日で結果がわかる。まだレポートができていない場合は、[何かあったら電話するよ。」って言われる。
実際にその日のうちに電話がかかってきたこともあるし…。
だから、放射線科医のレポートもその日じゅうにできるし、主治医の先生もその日じゅうにすぐレポートや画像を見てくださっている…って私は思ってる。(午前のCT検査の場合)
執刀医で異動になっちゃった元主治医の先生。👨⚕️
少しせっかちなところもあるけど、それが良い方に発揮されて、とっても時間に厳しくて、こういう面ではすごく良かったなって思った。
じゃあどうしてこの『人為的ミス』は起こるの
その理由と解決策を医師の立場から見た記事を見つけた。
① 主治医の能力不足
単純な確認ミス、レポートをちゃんと読んでいない。
※『CTくらい、放射線科医のレポートに頼らなくても全て読めている』という臨床医(主治医)のおごり
(私が思ってるんじゃないからね)
主治医の専門領域(例えば腹部)だったら放射線科医よりも深く『読めている』かもしれない。
だけど、専門外の、例えば肺や骨、軟部等は絶対に放射線科医にかなわないんだそう。
さらに、CTで写っている全身をくまなくチェックする能力(スクリーニング)に関しては、全くもってかなわないそう。
外来診療は、ダブルチェック機能がなく、医師が一人で検査結果を見て判断して治療を進める。
だから外来診療はある程度スキルが求められるので、大病院では若いお医者さまはいきなり外来室には出ないそうだ。
今回がんを見落とした女医さん、20代だったんだよなぁ…。
うーーーん
② 放射線科医-臨床医(主治医)間のコミュニケーション不足
『予期せぬもの』が写っていた時は、
「ねぇ、この患者さん、こんなの写ってるけどなんか変じゃない」と臨床医(主治医)に直接電話をしてくれる放射線科医がいる病院はすごく少ないそう。
(大学病院を含めて、計30病院の状況を聞いたら電話をする放射線科医がいたのはわずか2病院)
でも、こういう電話はすごく助かるらしい。
さらに、主治医の方も、もしCT画像で不明な点があったらいちいち放射線科医のいる部屋まで行って議論する。
お互いの顔を見て話す方が、もっともっと連携が密になると思うから、ぜひぜひお互いのコミュニケーションを高めてほしいなって思う。
③ システム上の問題
※CT検査施行からレポートまで時間がかかる点
レポートがもし早く出ていたら、主治医のレポートチェック忘れを防げたかもしれない。
でも、放射線科医は少ないので、『業務量から言って当日中のレポートは不可能』
↓
放射線科医のマンパワーを増やす。
音声入力などでレポート作成の手間を減らす。
経済協力開発機構(OECD)のまとめによると、日本の人口100万人あたり
CT設置台数…約107
MRI設置台数…約51
で、日本は他の先進諸国を大きく引き離してダントツ一位
現在6,000人程度で、先進諸国の中で人口一人当たりに換算すると最も少なく、その結果、CT、MRIのある病院全てに放射線科医が常勤しているわけではないそう。
人数が少ないため、『毎回全部のがんを見ていたら対応しきれない』らしい。
だから、手術後や抗がん剤の治療時に、広範囲ではなく、特定の部位のがんを狙って撮影することも多いそう。
日本の放射線科医の数、どうにかして増えていかないかなぁ…。そうしたらレポートを出すのが早くなり、主治医のチェック忘れも防げると思うのにな…。
※電子カルテ上のチェックのない点
主治医に必ずレポートをチェックさせるような電子カルテ上の仕組みを作る。
(例えば、レポートをチェックしないと、ロックされて次の業務が全く行えなくなるような仕組みを作る。システムによって強制的にレポートをチェックさせるのだ。)
電子カルテの確認ボタンを押さないと、催促され続けるのも良い。
本当に、どうにかしてこの『人為的ミス』による見落としだけは無くしてもらいたいと思うよねー。
ちなみに、1/30、健康診断だった。
いつものように、健康診断の前、数日間、最後の悪あがきでちょっとだけ食生活に気をつけてから臨んだ。(健康診断あるある)
悪あがきしてもあまり結果は変わんないんだけどね。
腹部エコーの時、技師さんに、
「CT検査は定期的にやってるんでしょ」
って聞かれたの。
「はい。」って答えると、
「最後にやったのはいつ?」と言うので、
「11月です。」って言うと、
「何もなかったんですよね。」と確認されたの。
私的には、『何もなかった。』という先入観を持って検査してほしくないんだよねーー。
なんか、検査の仕方が甘くなるような気がして…。
『CT検査は万能じゃないんですよ。』
って言いたかった。言えないけどね…。
それと、婦人科検診の時も、不信感がフツフツとこみ上げてきちゃった。
(私は右の卵巣を切除しているんだけど、左の卵巣について)
先生に、「診察では良くわかりませんでした。これから毎年一回は経過観察してください。」って言われたの。
経過観察って言われたので不安になって、「今、腫れてるんですか?」って聞くと、
先生はまた「良くわかりませんでした。」って答えたの。
は?わかりませんて、わからせるために検診してくれてるんじゃないの⁉︎
って思っちゃった。
問診も、「つかえ感があって、逆流したりするんです。」って言うと、
「食事は少しずつ食べて、合間にクッキーとか果物とかおやつを食べてください。」って当たり障りのないようなことを助言していただき、数分で終わっちゃった。
「健康診断の問診なんて、いつもこんなもんだなーー」って失望しつつ、無事に今年度の健康診断も終わったよ。
結果がくるのが怖いけど…。
また次は一年後か…。
PS: 胃カメラの場合
胃カメラの初回診断で医師ががんを見落とす割合→4.5%
検診を継続すると精度は上昇→それでも2.5%はがんを見落とす。
特に極めて速く増殖して、数か月で転移することも稀ではないスキルスは胃カメラで見逃しがち。
初回は『小さな腫瘍の跡のみ』と診断されても、食欲がなくなって再受診したら進行胃がんが見つかるといったケースが多々ある。
私、ステージ3Cの進行胃がんだったけど(初期の段階で何回か見落とされてたのかもしれないけど)、それでも(ギリギリでも)見つけてくださっただけでも良かったって感謝しなきゃいけないなって思う。
だって私の場合、進行が速い胃がんだったから、あと一歩遅かったら、今こうしてここにいることができてなかったかもしれないし。。。
一歩の差はとっても大きいよ…。
こうして本当に見落とされてしまった方々に対しては、病院側がいくら謝って再発防止すると言っても、亡くなった方は生き返らないし、過ぎた日々は戻らないし、謝罪のしようがないと思う…。
二度と同じような見落としがおこらないことを願うのみですね…。
じゃあまたね