孤独死で他界したところを伯母とその息子に発見して貰った母の、
葬送そのものを進めるにあたっては、
折しも持病持ちの子供が持病の症状を起こしていた為に、
伯母家族に代わりに送って貰う事になったのは、
前述の通りである。
その代わりと言っては何だが、
私は遠く離れた自宅で母を偲んで涙を流す…暇もなく、
次なる作業に没頭する事になった。
まず葬送にかかる費用を上回るお金を、
伯母の口座へ送金する。
これはもちろん、葬儀代や見送ってくれた伯母・叔母家族に、
いわゆるお斎の御膳を食べて頂く費用や、
移動の車代など込みの金額だ。
因みに母の場合は警察でして貰った、
検視代およそ35000円もここから払って貰った。
それが終わると、
相続に必要な書類と手続きを調べ、
とりわけ必要な書類を集める準備に入った。
相続の際に避けて通れない「戸籍謄本集め」である。
今回は母の夫である父が既に亡く、
法定相続人は子供である私一人なので、
単に母が亡くなったという事実を記した物だけでなく、
母と私が親子である証明をするためと、
相続人をはっきりさせる為にも母の出生から死亡までの、
戸籍の移り変わりを書類として揃えねばならない。
母を例にとると、出生した場所での本籍をA、
他界した時の本籍をBとすると、
まず、死亡届を提出した後に死亡の事実が反映された、
最後の本籍地であるBの管轄役所で戸籍謄本(除籍謄本)を取る。
それには本籍Bが記されているが、
直近の戸籍改正法の前から使用している本籍でもあるため、
改正前の戸籍の状態を見れる「改正前戸籍」をとる必要があった。
その改正前戸籍にBを本籍とする前にどこに本籍があったか、
という事が記載されているのだが、
母の場合は結婚で本籍が変わったのであろうから、
その前は出生地のAが本籍だったのだろうと見当をつけ、
どうせ必要ということでAの管轄の役所に改正原戸籍を含む、
必要な戸籍の郵送申請を行った。
ところが、Bの管轄の役所から届いた改正原戸籍には、
なんとBの前に別の所に本籍(C)があったと記載されていた。
因みにそのCの場所は特にゆかりのある土地ではなく、
強いて言えば結婚で新世帯を持ったからか?と言う理由しか思いつかない。
とは言えCの管轄の役所に、
母の戸籍があった証明を出してもらわねば、
いつまでたっても相続そのものに進めない。
偶然にも私の自宅から往復で、
半日程度あれば行ける場所だったので、
新たなCが本籍だった証明の改正原戸籍をとるために、
Cの管轄の役所に飛んでいく羽目になったのである。