特命係にて

亀山『問題は岡村は何故死ぬことになったのかですね…』

右京『仮に自殺だとして理由は何でしょうかね~警察内ならば仲間からの報復を恐れることもありません。もっとも報復を恐れるくらいならこんな真似はしませんが』

角田『じゃあ殺されたってのか?』

右京『それは調べてみなければ何とも言えませんがその可能性が高いと思いますよ』

米沢『お待たせしました。岡村貴の検死の結果が出ました。死因は留置所の格子に自らの上着を巻きつけそこで首をつったことによる窒息死です』

亀山『そんなんで死ねるもんなんすか?』

米沢『確かに凄まじい苦しみがありますが出来ないことはありません』

右京『では、他には』

米沢『岡村の右手の人差し指から皮膚組織が発見されました。殺されそうになってとっさに引っ掻いたとも考えられます』

亀山『誰のものかわからないんですか?』

米沢『生憎、DNAを比較する相手が存在しないことにはなんともなりませんな』

右京『警察内部の留置場、となればおのずと犯行も警察内部の人間と考えるのが妥当ですね』

米沢『なにやら物騒な話ですな』

 米沢が去った後、監察の大河内がやってきた

大河内『杉下さん、亀山さん。またよその捜査に首を突っ込んでいるそうですね』

亀山『相変わらず情報が早いっすね。でも何を言われようと止める気ありませんよ』

右京『ええ、僕らを監視する前に調べるべき人物が警察内部にいるようですから』

大河内『岡本の右手に残された皮膚組織のことを言っているのですね?』

亀山『もう知ってたんすか』

大河内『そのことなら事件とは無関係ですよ。岡村の逮捕時に抵抗され取り押さえにかかった湾岸交番勤務の矢部巡査の首筋を引っ掻いたときに付いたものですから』

右京『もうそこまでお調べになっていましたか』

大河内『ですから、これ以上調べても何も出てきません』

右京『諦めるわけにはいきませんよ。まだ事件はなにも終わっていません』


 岡村のいた光浦組にやってきた特命の二人

右京『岡村さんはどんな方でしたか?』

光浦組組長『あいつは気の弱いやつでな、なんでこの世界にいるかわかんないやつだった』

亀山『あんたらの麻薬を横取りされたんだよな』

組長『世間ではそんな風に言われてるけどな、俺達は何もやっちゃいね~よ。そりゃ昔は麻薬だ、拳銃だって時代もあったけどな最近じゃそんなものとも無縁だからな』

右京『では、あの取引自体にまったくの無関係ですか』

組長『ああ、なんで岡村がそんなことやってたのかこっちが知りたいくらいだからな』

右京『他に岡村さんに変わった様子はありましたか?』

組員の山本『そういや岡村さん…久々に子供に会えるって喜んでいたのに、次の日にはすごい怖い顔してたんだ』

亀山『…』

 外に出る二人

亀山『なんかおかしくないっすか?あいつらの言うことが確かなら今回の事件は一体何なんですかね?』

右京『光浦組が無関係ならば彼はどこからか大量の麻薬を手に入れたことになります。そしてそれは捜査の及ばない存在である可能性が高い。こうなると…』

青島『警察関係者が黒幕ってことですか』

亀山『青島君、いつの間に来てたんだよ』

右京『そう考えれば組でもうだつの上がらない岡村が大規模取引をし、さらに強引に自殺として処理しようとすることも辻褄が合います』

亀山『あとはそいつがだれか突き止めるだけですね』

右京『では、次行きましょうか』

青島『湾岸交番の矢部巡査のところですね?』

右京『ええ、ですが青島さんには至急調べてもらいたいことがあります。行ってもらえますか?』

青島『はい!』

 湾岸交番にて

矢部『本庁の刑事さんが何の用ですか?』

右京『あなたは岡村逮捕時に負傷したそうですね~その首筋の引っかき傷ですか?』

矢部『ええ、不覚にもちょっと深くやられてしまいましたよ、それがどかしましたか?』

亀山『念のためにその日の警ら日報を見せてもらえません?』

矢部『はあ、ちょっと待ってください』

右京『なるほど、岡村ともみ合いになり右の首筋を負傷…』

亀山『他に変わったことありませんでした?』

矢部『さあ、自分は連行しただけなんで詳しくは知りません』

 警視庁に戻った二人

右京『岡村を殺害した犯人はわかりました、証拠も揃えられると思います』

亀山『え?わかったんすか?』

右京『ええ、ですからそう言っていますよ。しかしそれだけでは今回の事件が解決しません』

 そこに室井が現れる

室井『杉下さん、まだ調べまわっているそうですね、即刻捜査をやめてもらいたい』

右京『そういうわけには参りません』

 さらに小野田が現れる

小野田『室井君、こいつに何を言っても無駄ですよ。組織の理論など全く通用しない』

室井『しかし、官房長…』

小野田『この際だから事件をはっきりさせた方がいいと思いますよ。そうじゃないと彼らはどんな手で来るかわかりませんから』

室井『わかりました。では私も全面的に協力いたします。それでよろしいのですね?』

小野田『ええ、手に負えなくなったらすべてもみ消しますから』

右京『あなたらしいお考えですね』

小野田『お前もあの時から全く変わらないな、折れるってことを知らない』

右京『室井さん、今回の捜査方針を決定したのはどなたなのですか?』

室井『加藤警備局長です』

亀山『もしかしてその人大麻とかにかかわっていたりします?』

室井『警備局長ともなれば大いにかかわってるはずだ』

右京『そうですか。ちょっとつついてみますか』

 さらに続く~