四人は捜査を開始

牛尾『我々は被害者の知り合いにもう一度話を聞いてきます』

右京『お願いします、我々は別を当たります』

亀山『といっても・・・手がかりはありませんよ・・・』

右京『完全犯罪なんてありませんよ。何か手がかりがあるはずですよ』

米沢『そろそろ来る頃だと思いました。被害者の所持品リストはこちらです』

亀山『さすがに仕事速いですねー』

右京『いつもありがとうございます』

米沢『いえいえ、お役に立てれば光栄です』

 リストを見て

右京『最初の被害者の飯田さんと三人目の石川さんの所持品にノートパソコンがありますね』

米沢『ええーしかしこれといって問題はありませんでした』

亀山『最近見たサイトなんかも調べたんすか?』

米沢『履歴は消されてましたが、いま調べています』

右京『もう一点、矢口さんの携帯電話もお願いします』

米沢『もちろんです。携帯には履歴が残っていましたが・・・特に怪しいものはありません

右京『・・・』

亀山『手詰まりですね・・・』

 そのとき牛尾から連絡が入る

右京『そうでしたか。さらに詳しく調べてください』

亀山『なんです?』

右京『飯田さんは亡くなる直前に「死にたい」と言っていたそうですよ。もっともそのときは冗談だと言っていたそうですが』

亀山『気になりますね』

米沢『何か分かったら連絡します』

右京『お願いします』

 二人目の被害者、矢口を調べる二人

亀山『右京さん!彼女も同じでした。周囲に「何もかも嫌になった」と洩らしていたようです』

右京『やはりそうですか。つながりが見えてきましたよ』

米沢『警部、ようやく分かりました。消えた履歴の修復が完了しました。驚くべき結果が出ましたよ』



亀山『なるほど・・・だから睡眠薬を使い、窒息という方法を取った』

右京『ええ、そう考えれば辻褄が合います』

亀山『しかし・・・これだけでは犯人が特定できないっすね』

角田『特命もお手上げってか?』

右京『ひとつ方法があります。かなり危険を伴いますが・・・』


 2日後、都内のある部屋に美和子が一人でいた

 
 何者かが部屋に侵入し、美和子に睡眠薬を飲ませようとした

 
 そのとき部屋の明かりがつく

亀山『斉藤葉子!そこまでだ!もうお前の正体は分かってるんだよ』

斉藤『くっ・・・』

暴れる斉藤、右京さんが取り押さえようとする、ついに亀山が捕らえる

斉藤『なぜ・・・私のことが?』

右京『今回の事件には被害者の三人に共通点がありませんでした。仮に無差別だったとしても連続殺人ならば何らかのつながりがあるはずです。ところが今回は全くなかった』

亀山『それもそのはず、彼女たちは実社会では何のつながりもなかったんだ』

右京『しかし飯田さん、矢口さん、石川さんに直接のつながりがなくともあるサイトであなたに通じていたことを見つけたのですよ』

斉藤『・・・』

亀山『彼女たちはいわゆる自殺サイトを同じ時期に見ていた。しかもそのサイトでは自殺幇助、ときには殺人の依頼まで引き受けていた。それがあんただというわけだ』

右京『あなたの存在は本庁でもリストにあがっていたので調べるのは容易でしたよ』

斉藤『彼女たちが望むからやったまでですよ』

亀山『ふざけるな!』

右京『あなたは、何の主義主張もなく、動機もなく、相手の弱い心を踏みつけたのです。どの凶悪犯よりも間違いなく悪人です。あなたの罪は到底償いきれるものではありませんよ』

斉藤『私は彼女たちを解放してあげたのよ』

右京『警察も検察も、もちろん裁判所もそんな身勝手な理屈は通用しません!自分のしたことをよく考えなさい!』

斉藤『・・・』

 
 特命係にて

角田『まったくいろんな事件があるねー』

亀山『しかしわからないっす。人に依頼してまで死を選択するなんて・・・』

右京『ええ、理解できません、いえ、理解できては困ります。殺人犯はもちろん罪人です。しかし人を巻き込み自ら死を選択するのもまた罪人ですから』

亀山『これからも常識外の事件が起こるんすかねー』

牛尾『おかげさまで事件は無事解決しました。有難うございます。しかし・・・ひとつ疑問が残ります』

右京『はい?』

牛尾『石川さんは何故うちの署に来たのでしょうか?』

亀山『そういえば矢口さんに痴漢容疑をかけられたのも今思えばなんだったんでしょう?』

右京『心のどこかに死にたくないという思いがあったから、誰かに助けを求めたかったというとこですかねー』

牛尾『なるほど・・・そうかもしれません。我々警察が相談に乗れていたら事件は起こらなかったかもしれませんね・・・』

右京『僕たちの出来ることをやっていきましょう』

杉下右京は今日は紅茶を飲まず、外を眺めていた。

終わり