特命にて

亀山『おはようございます~右京さん』

右京『おはようございます』

課長『よっ朝からヒマそうだね~』

亀山『最近は事件がないっすからね~』

右京『亀山君、平和なのは喜ばしいじゃないですか』

亀山『まあ、そうなんすけどね~』

    警視庁内で捜査員が慌ただしく動いていた

伊丹『どけどけ~カメ』

亀山『事件なのか?』

伊丹『おめーには関係ねー』

右京『どんな事件ですか?』

三浦『杉並で強盗殺人事件ですよ。』

芹沢『所轄に捜査本部が設置されたんですよ、先輩』

亀山『俺達も行きますか、右京さん?』

伊丹『おめーは特命だろ!来るな!!』

右京『お邪魔はしませんよ』

三浦『警部どの~我々に任せてもらえませんか~』

右京『もちろんお任せしますよ。ですから我々が行っても構わないですよね?』

伊丹、三浦『・・・』

亀山『じゃいきますか』
 
 
    杉並の現場に到着した本庁捜査員

所轄所員『現場はこの家です。被害者はスーパーマックスを経営する田中一郎とその妻恵子。二人とも帰宅直後を襲われたようで死体は玄関にありました』

伊丹『死因は?』

所轄『鋭利な刃物のような物で背中を刺されたことが致命傷となっての失血死と思われます』

右京『第一発見者はどなたですか?』

伊丹『警部殿~』

右京『失礼しました』

亀山『で、発見者は?』

所轄『帰宅した田中一郎の長男、隆司くん(10歳)です』

伊丹『とりあえず話を聞くか』

所轄『それが・・・事件のショックで言葉が話せないんですよ・・・』

亀山『目撃者は?』

伊丹『おめーが聞くな!で、目撃者は?』

所轄『今のとこいません』

右京『では、通報者はどなたですか?』

所轄『それが・・・匿名の電話がはいり警官が向かったところ、死体と隣に立ち尽くしていた子供を発見したんです』

右京『・・・』

亀山『家の中の状況は?』

所轄『かなり荒らされて、財布や貴金属が持ち去られてます』

米沢『どうも、警部。死亡推定時刻は午前10時前後、死因はやはり失血死ですね』

伊丹『発見者も目撃者もいね~凶器もね~これじゃ捜査のしようがねえな!』

亀山『おいおい、おまえらに任せたのにもうお手上げか?情けねえな~』

伊丹『うっせ~』

芹沢『でも、先輩の言う通りっすよ。このままじゃ捜査が進みませんよ』

右京『まずは・・・その息子さんに会いますか』

亀山『しかし話せないんじゃ意味がないんじゃ・・・』

右京『ですから会いに行くだけですよ』

    隆司のいる祖父母の家へ

右京『こんにちは隆司君』

隆司『・・・』

亀山『やっぱり無理っすよ』

右京『隆司君、君は何故あの時間に家にいたんですか?』

隆司『・・・』
   
    二人は何も聞けずに帰る

亀山『日曜なら家にいてもおかしくないんじゃ?』

右京『彼の部屋には野球グッズがあふれ、部屋の写真を見るかぎり本人も少年野球にはいっています。さらにはカレンダーには今日の九時から練習の予定が書かれていました。』

亀山『・・・さすがですね~ってことは、あの子は嘘をツイてるか、もしくは何らかの理由で行かなかった・・・』

右京『または、行けなかったか・・・いずれにしても事件前に何かがあったことは間違いないでしょうね~』

    その日の夜

芹沢『大変です!犯人が出頭してきました!』

内村刑事部長『そりゃよかったじゃないか』

芹沢『それが・・・別々に三人も来たんです・・・』

内村『なんだと~?』

    特命にて

右京『一人目は隆司君の担任の上原美砂さん(27)、二人目が田中さんの隣人の豊田博さん(60)、三人目が隆司君の祖父田中由伸さん(70)』

亀山『どうなってんですかね~?』

右京『とりあえず三人の話を聞いてみますか』

上原『私がやりました・・・』

伊丹『動機は?』

上原『・・・とにかく私を逮捕してください!』

豊田『わしが田中さんを殺した・・・土地のことで揉めていて、カッとなってやった・・・』

三浦『家を荒らしたのは何でですか?』

豊田『別に意味なんてない・・・』

祖父『私が息子夫婦を殺したんです・・・』

芹沢『どうしてです?』

祖父『日頃の息子夫婦の態度に我慢の限界でした・・・』

    特命の二人は取調室の外から見ていた。

右京『どなたも本当のことを言っているとは思えませんね~』

亀山『しかし・・・このままでは迷宮入りですね・・・』

右京『三人が嘘をついているとして・・・引っ掛かるのは三人の関係とタイミングです』

亀山『というと?』

右京『三人には直接繋がりはありません。にも関わらず事件の日の夜に同じタイミングで出頭する。ここには何か大きな秘密があるように思います』

亀山『三人を繋ぐのは隆司君だけですね・・・』

右京『君にしてはよく気付きましたね』

亀山『褒められた気がしないっす』

右京『とにかく明日もう一度会いに行きましょう』

祖母『刑事さん、もう隆司に辛い思いをさせないでください!』

右京『申し訳ありません。事件となるとつい気になってしまって・・・僕の悪いクセです、ではあなたにお伺いします。由伸さんが犯人だと思いますか?』

祖母『あの人がそう言ってるんだから、そうなんでしょう』

右京『僕には誰かを庇っているようにしか思えません。もちろん他の二人も。となると・・・庇う相手はただ一人、隆司君ということになるんですよ』

祖母『隆司は関係ありません!もう帰ってください!』

    仕方なく帰る二人

亀山『どうやら間違いないみたいっすね・・・』

右京『いえ、それが真実かどうかはわかりません。』

課長『あの田中って奴は結構敵がいたみたいだな~スーパーの新規出店で地元商店街とかなり揉めていたんだと。で、それをフォローするのが専務の谷と部長の阿部ってやつの役割だったらしいぞ』

亀山『詳しいっすね~』

課長『週刊誌は我々より詳しいからな、これ見れば事件を知れるぞ。』

右京『あまりいい趣味とは言えませんがね・・・しかし貴重な情報をありがとうございます。亀山君、行きましょう!』

亀山『はい』

  二人はスーパーマックスの本社に向かった

右京『先ほどお電話しました警視庁特命係の杉下です』

亀山『同じく亀山です』

谷『時間がないので手短にしてください』

右京『わかりました、では事件の日はあなたはどちらにいらっしゃいましたか?』

谷『刑事さん!私を疑ってんですか?』

右京『いえ、単なる確認ですよ』

谷『あの日は・・・11時に取引先と会う予定だったので、部長の阿部と取引先に向かう途中でしたね』

右京『そうですか、お手間をおかけしました。』

右京『あっそれと、あと一点だけ。そのときは車でしたか』

谷『ええ・・・』

右京『そうですか、では帰りましょう。亀山君。』

 警視庁へ戻る二人

右京『亀山君、君に調べてもらいたいことがあります』

亀山『事件が見えて来たんすね?』

右京『ええ、9割型。残りの1割を君に埋めてもらいますよ』

亀山『はい!』

次へ続く~