北半球一周の旅 ・ メキシコ・ベラクルス・・ボカ・デル・リオ・・メキシコ人家族とのふれあい・前半 | 北半球一周の旅 2002年 1年間 回想記

北半球一周の旅 2002年 1年間 回想記

1年間をかけて、北半球の主要な国、都市、世界遺産などの旅をした体験を赤裸々に綴る回想記。

 シーフード・レストランでの食事を終え、俺とK君はボカ・デル・リオの町をあてもなくぶらぶら歩いていた。
ハポネス、ハポネス
俺とK君が知っている数少ないスペイン語だ。ハポネスとは日本人の事。
振り向くと恰幅がよく、口髭を蓄えた、色の黒いメキシコ人のおじさんが俺達のほうを向いてニコニコしている。
これまでもメキシコでは遺跡や観光地では、アミーゴ(友人)だ、チーノ(中国人)だと話しかけてくる物売りや客引きが多く、そのしつこさに辟易(へきえき)していたので、俺達は声をかけられても一切相手にしない習慣がいつのまにか身についていた。
でもこのおじさんは違っていた。満面の笑みを浮かべ俺達を手招きした。俺達は何のためらいもなく磁石に引き付けられるように、おじさんの近くに向かっていた。
このおじさんはシーフード・レストランがあるビーチより、ちょっとだけ内陸部に入ったところで、テーブルを置いて、簡単なメキシコ料理(軽食)を食べさせる店を営んでいた。おじさんは俺達に椅子(背もたれの無いプラスチック製のもの)に座るようにうながした。俺達は食事をしたばかりでおなかいっぱいであることをジェスチャーで伝えた(おじさんは英語がしゃべれないし、俺達はスペイン語がしゃべれないので)のだが、かまへん、かまへんという感じで熱心に勧めてくるので、根負けして椅子に腰掛けた。