京都市交響楽団第690回定期演奏会において、合唱団のエキストラとして参加しました。素晴らしい演奏の機会にご一緒させて頂けてとっても幸せでした!!

ショスタコーヴィチ:【交響曲第2番「十月革命」指揮:井上道義

この作品は1927年に、第二次ロシア革命(十月革命)10周年を記念して国立出版所音楽局宣伝部の依頼により作曲されました。ショスタコーヴィチが20歳の時の作曲なので、とても若い、まだ試行錯誤を繰り返してる頃の作品です。当時のソ連の芸術界は、ロシア・アヴァンギャルドと呼ばれる前衛的芸術活動が花咲き、最も先駆的で自由に新しいことを試せる雰囲気だったようです。それは、この交響曲第2番を聴き出してすぐに納得するところ。音は複雑に重なり合い、単純な聴きやすい、理解しやすい音楽でなはいのです。中間部では、ヴァイオリンとクラリネットとファゴットによるなんとも面白いソロが披露されます。まるでどんちゃん騒ぎのような愉快さです。次第に他の楽器も加わって大きな音楽に発展します。混沌とした状況から一転、先導者が民衆を導くように、作品の後半には大合唱がレーニンを賛美します。


福山のリーデンローズ 大ホール。響きがとても良かったです。


リハーサルの中で指揮者の井上さんが教えて下さったことは、「この作品はショスタコーヴィチがとっても若かったときのもの。本人も、夢と希望に溢れていた。この社会がきっと良くなるんだーって想いでいっぱいだった。」と。ショスタコーヴィチ自身、マーラーから管楽器のオーケストレーションにおいて影響を多く受けていたらしく、井上さんは、一部分ホルンのベルを高く上げて(ベルアップ)演奏させました。これは、それまでの常識を打ち破って自由な発想を持ち込んだマーラーと、それを同じように推し進めることができたショスタコーヴィチとその時代を象徴するようだなと感じていました。

京都コンサートホールでの二日間公演を経てどんどんボルテージは上がっていき、最終日の福山公演(リーデンローズ 大ホール)ではスタンディグオベーションで、締めくくることができました。

2024年をもって指揮活動からの引退を表明されている井上道義さん。この作品を書いた作曲家と書かれた時代を真っ直ぐに見つめ、演奏される現代の社会的・政治的課題も思慮深く考えた上で、作品の素晴らしさをきっちり伝え、教えて下さる姿勢に感銘を受けました。

久しぶりのオーケストラとの演奏は本当に楽しかったです!仲間に入れて頂いた京響コーラスの皆様のレベルの高さにもびっくり!
またご一緒できますように!