東京での演奏会無事に終演しました!!長年、声と音楽作りにおいてお世話になってる中嶋俊晴さんの門下生たちの発表会でした。アマチュアからプロまで、それぞれ33人が歌いつなげ、4時間半に及ぶ演奏会はなんとも感動的な一夜となりました。人前で歌うのが初めて!という方は、もう、ピアノの前で立って声が出てるだけですごい!と思うのですが、一音一音、言葉ひとつひとつを大切に歌っておられました。


このような素敵な会場で歌いました。自分の写真を撮り忘れてしまった…。


日頃、レッスンで前後する以外は会うことのない門下生の方々の歌を初めて聴いて、大袈裟ではなく、「すべての人の歌が好き!」と思いました。それは決して才能や楽器の個性差などで測るものではなく、何を大切にして歌いたいか、という視点で演奏を評価する気持ちがみんなの中で一致していたからだと思います。立派な声を出すために歌うのか、それともテキストを伝えるために歌うのか、音楽をするために歌うのか—。


中嶋さんが書かれたプログラムの挨拶文に、

「歌はとても不思議です。…歌うタイミングによって、詩や曲の感じ方は微妙に違いますし、楽器としての身体もまた日々変化し続けます。…上手くいく時もあれば、なかなか上達しなくて四苦八苦する時もあるでしょう。前進と後退を繰り返しながら、日々変化していく歌の世界は実に奥深く、また面白いです。」

との文章がありました。まさにその通りで、昨日の演奏会は、出演者33人のこれまでの人生を垣間見れた気がしたのです。遠方から歌いに来られた方が、「二日分の家族のご飯を作り置きしてきました」とおっしゃっていて、彼女の生活の中に歌はどんな風に存在して、どんな役割を担ってるんだろう、と思いました。

はたまた、東京の音大の大学院やオペラオーディションの場で今まさに自分と戦っている30代の歌手たちの歌からは、厳しい世界の中に身を置き、自分の課題克服へ正面から向き合ってる日々が見えてきて目頭が熱くなりました。


自分自身の演奏は、細かいところでの至らなさはあったものの、全体的にはアクティブで身体全体を鳴らすことができ、テキストをそのまま語るように歌えたと思います。(全部分ではないですけれども!w) 自分の演奏をこのように肯定してやることが出来るのは稀なので、昨日の演奏経験は特別大事にしたいな、と思いました。